本来の君に戻り……。
俺達の勉強会に、ネクスが、加わる様に成った。
「ネクス様。今度は、アーニャお嬢様達と、仲良くする様に言われたのですか?」
「いや……。私の意思だ。人は、一人で生きては行けぬのだろう?私は、この学園の、一生徒として、勉学に励みたい。ならば、必然的に、君達と、仲良くするのも、悪くは無いだろう?」
「ふふふ……。そうですね。共に、切磋琢磨致しましょう」
「よろしく頼む……。それから、ジャショウ殿の形成する、魔法陣が興味深い。これならば、魔力の消費を抑え、従来の威力以上の効力を、発揮する事が出来るな」
「まあ、私は、無駄な事が、嫌いですから。しかし、ネクス殿の魔法理論を考察すると、そちらの方でも、従来の魔力量だけで、攻撃呪文であれば、数倍の威力を、発揮できますね」
「見ただけで、分かってくれるか!従来の方法だと、魔法の発動に、余分な対価を払っているのだ!何故、他の者達が、その事実に気付かないのか、理解に苦しむ。しかし、ジャショウ殿は、分かってくれるか!」
「ええ。しかし、残念ですが、私は、感覚的に、魔法を使っていますので、こうやって、理論を説明出来るネクス殿の話を聞くと、羨ましく思います」
「ははは!私にも、ジャショウ殿に、羨ましがられる事が、有ったのだな!」
「ええ、自信を持って下さい!家のニーナなんて、目を輝かせっぱなしですよ。ニーナ!この理論を聞いて、君はどう思う?」
「ん!私は、自分の魔力量に、自信が有ったから、こう言う所まで、頭が回らなかった……。けど、この考えを基に、私の、オリジナル魔法も、まだ、改良の余地が有ると思う」
「賢者、ニーナ殿の、オリジナル魔法ですか!是非、私も、教えて頂きたい!」
思ったより、ネクスが、この勉強会に馴染んでいる。
作り物の、笑顔じゃ無い。
新しい発見に喜び、無邪気に笑っている。
そして、あのリムサに、勉強を教えていただけの事は有る。
マヤやクレカを筆頭に、頭を悩ませ、一生懸命頑張る生徒に、丁寧に、勉強を教えてくれる。
内向的と聞いていたが……。
コイツ、結構良い奴だ。
こうなると、早い段階で、ジェフィール達と、袂を分かった事は、ネクスにとって、プラスに働いているな。
最初は、警戒していた生徒達も、親しく、ネクスと、談笑する様に成った。
こうなると、本当、頼りになるなぁ。
勉強などと、程遠い所に居たクレカも、メキメキと、頭角を現している。
負けず嫌いで、頑張り屋だからな。
教える側の人間が増えた事は、俺達にとって、何よりもありがたい。
何だかんだ言って、この調子だと、あっと言う間に、一年間なんて、過ぎてしまうかもなぁ……。




