哀れな見世物……。
ジェフィール達の、没落ぶりは、底辺知らずだ。
フィリス三世は、ジェフィールに、簡単なモノであろうと、国務を任せられぬと、完全に、見放してしまう。
リムサは、落ち目のジェフィールを見限り、取り巻きの、マコールに急接近。
しかし、マコールは、女性関係に、ルーズな男だ。
こちらも、長続きせず、今度は、ネクサに言い寄る。
しかし、ネクサは……。
思いのほか、馬鹿な男では無かった。
ジェフィール達と、距離を取る様に成る。
リムサにも、
「未来の王妃が、余り、男漁りをするのは、問題と成ります。今は、王妃教育に、集中するべきかと……」
それだけ言って、リムサの下を、去って行ってしまった。
続いて、ボルト……。
奴は、もうダメだ。
女性に、手を上げようとした上に、一応、ただの執事である俺に、返り討ちに在ったのだ。
身も心もボロボロ……。
その上、父親に、心身共に、徹底的に、打ちのめされたと聞く。
学園卒業後も、近衛兵隊への入隊は、絶望的……。
こちらも、弟に、家督を奪われる事と成り、一般騎士へと、格下げとなる予定だ。
脳筋だと思っていたが、本人は、頭が冷えて、それも、致し方なしと納得している。
まあ、正直言うと、彼等は、学園内の、腫物の様に扱われている。
ここまで来て、漸く、リムサも、事の重大性に気付いた様だ。
男性陣四人の方は、まだ、何とか成る。
フィリス三世の言う通り、そこそこは、勉強が出来るからだ。
平凡に、卒業は、出来るだろう。
しかし、リムサは……。
男は誘惑出来ても、勉学は、からっきしだ。
今まで、ジェフィール達に、宿題を写させてもらい。根気よく、勉強を教えてもらって、何とか、赤点ギリギリ……。
現状、留年か、退学と言った処だろう。
実技の方も、ジェフィール達の権力によって、他の生徒達が遠慮する事で、何とか、形だけの上位を、得る事が出来ていたと言う訳だ。
最早、救いが無い。
何もかも上手くいかず、悲劇のヒロインを、演じている。
まあ、見世物としては、上出来だ。
それを、大衆が、求めるかと言えば、話は別だが……。
現状、女生徒達からは、人の男を寝取った、略奪者と、毛嫌いされ。男子生徒からは、顔は良いが、ジェフィール達の末路を見てはなぁ……。
正直、関わりたくない人物、ナンバー1。
チェックメイト……。
もう、彼女達の人生は、決まった様なモノか……。




