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天翔雲流  作者: NOISE
魔王進軍
1418/1794

免罪符

「スサー・アウメ・ログナ!」

「「「スサー・アウメ・ログナ!」」」

 今、巷で、奇妙な新興宗教が流行ってる。

 ギーラ教会の失墜。

 魔物達の跋扈。

 それに伴い、世界経済が、著しく停滞している。

 多くの村々が、飢饉に見舞われ、人々が、賊へと身を落としているのだ。

 そんな闇に付け入り、前述の呪文を唱えるだけで、罪を許されると言う、人が創り出した、神の免罪符。

 自称、大僧正・ラルフ・サーリアが唱える、ネガレカ教の新説だ。

 結論から言って、そんな呪文、何の意味も持たない。

 ラルフと言う男が、何を考え、この教えを広げたのか?

 少なくとも、多くの賊と成った人々が、お布施と言う名目で、ラルフに、多額の金を、

上納していると言う事が、知られている。

 魔王を倒す前に、人間が人間に、牙を剥く様に成った。

 滑稽ではあるが、笑い事では無いな。

 生きる為に、人が人を殺し、その心の闇に付け入り、まやかしの光で人を誘い、救済と言う名の、形だけの冤罪符を買わせる。

 ここから先は、人の心との、戦いか……。



 小さな綻びが、大きな綻びに代わる……。

 ラルフ・サーリアが提唱する、ネガレカ教新章……。

 生物は、生きる為に、他者を殺す。

 食物連鎖……。

 為らば、生きる為に、人が人を殺す事が、はたして、罪だと言うのだろうか?

 否

 故に、生きる為に、他者を殺した時、犠牲となったモノに、最大の敬意を払い、神への感謝の言葉を捧げる。

 スサー・アウメ・ログナ……。

 神語で、命よ、我が、糧に……。

 言わんとする事は、分かるんだが……。

 人が、他の生物より、優れているとは思わない。しかし、ただ、この言葉を唱えるだけで、罪が許されるとは……。

 それに……。

 多くの者は、生きる為に、この教えに縋るのでは無く。人の命を弄び、欲に溺れ、獣以下の存在に、堕落してしまっている。

 ただ、誠実に、今日を生きる者を殺し。堕落した人間が、この教えを盾にし、好き勝手な事をしている。

 許される事では無い……!

 俺は静かに怒り、野へと消えて行った……。


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