終幕
「誰か!誰かおらぬのか!!」
ロスナー家は、群衆に取り囲まれ、それでもなお、静寂に包まれている。
ロクプは叫ぶが、誰も、味方などいない。
ロクプの声は、無常にも木霊する。
俺とクレカは、一直線に、ロクプの下へ。
大扉を開き、
「よう……。忠告はしたよなぁ?俺の周りの人間に、手を出すなって」
「ひぃ!?」
ロクプの顔が、醜悪に歪む。
壁越しに這う様に、
「知らん!儂は、知らんぞ!!」
「ギルディ……!もう、判決は、下されているよ」
一陣の風が、ロクプを襲う!
「ぎゃああああ!?」
左手を失い、悶え苦しむロクプ。
俺は、剣を投げ渡し、
「生きたくば、戦え、ロクプ!精々足掻いて、過去を清算するんだな」
「ひいいい!?誰か!誰かおらぬのか!?儂を守れ!この不届き者達を、殺す者はおらぬのか!?」
見苦しい奴だ。
クレカが、剣を構える。
怒りの形相で、
「父母の仇!!」
ほう……。
良い、剣技では無いか。
ロクプの、右腕が宙に舞う!
館中に、響き渡る悲鳴。
次の一閃、ロクプの首も、宙に舞う。
それと同時に、衛兵達が、駆け込んで来る。
俺に一礼し、
「ジャショウ様、後の事は、我等にお任せ下さい!」
「ああ。そこの壁が、隠し通路に繋がっている。何人もの人が、閉じ込められている様だ。助けてやってくれ」
「何ですと!おい!そこの壁を調べろ!」
ロクプか……。
叩けば、埃が出そうだな。
少し、苛烈であったが、後は、丸く収まるだろう。
何時の世も……。
何処の世界にも、屑は存在するんだな。
後は、フィリス三世に頼んで、この復讐劇を、正当化させ、要らぬ恨みを、買わない様にしなくてはな……。




