騎士の子はまた騎士
あの男の名は、ロクプ。一応、男爵らしい。
そして、クレカの父は、騎士であった。
よくある話だ。
クレカの母は、華の様に美しく、ロクプに目を付けられた……。
しかし、それを拒んだ母は、その場で自害。父は激昂し、ロクプに決闘を、申し込んだ。
しかし……。
貴族への、反逆罪とし、戦う事も許されず、その命を散らした……。
クレカの気性の荒さは、父親譲りか。
俺は、静かに、怒りを覚え、有無も言わさず、クレカを連れて、王城へ……。
褒美を、随分、ストックしてあるからなぁ。
フィリス三世と、その場で謁見。事の顛末を、報告する。
フィリス三世は、クレカの母を、ロクプが、手籠めにしようとした事は、知らなかったらしい。
眉を顰める。
「すると、全ての元凶は、ロクプに有ったと言う事か……」
「ええ。事が、上手く、ロクプの利益に成る様に、動いています。クレカの家……。エンシャート家の財は、ロクプの、ロスター家に、吸収されております。国王陛下は、これを、如何にお思いですか?」
「うむ……。当時は、その方の父、クナイトの乱心だと報告され、世継ぎの無いエンシャート家は、没落。財産は、ロクプへの慰謝料として、払われる事と成った。しかし、クレカよ。何故、その方は、今まで、姿をくらませておった?その方が居れば、エンシャート家は、潰れずに、済んだ筈だぞ?」
「出来る訳無いだろう!父上が言っていた!私の存在が、ロクプに知られれば、母上に様に成ると!だから私は、泥水をすすって、生きて来たんだ!あの男に、復讐する為に!!」
「そうであったか……」
騎士の子もまた、騎士であったか……。
クレカの瞳に宿る、復讐の炎。一抹の、不安を覚える……。
大事にしたくは無いが……。
場合によっては、鬼へと変わろう……。




