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天翔雲流  作者: NOISE
魔王進軍
1409/1794

「国王陛下……。我等、ネガレカ教の失態で、心害した事、誠に、申し訳ありません。あの二人には、破門を言い渡したのですが、どうも、言葉が通じない様で……」

「カスター殿、貴公が、謝る事では無い。全てに元凶は、前大司教、ジョセフに問題がある!そなたは、よく頑張っているよ」

「はっ!勿体無きお言葉」

 この男が、現ネガレカ教大司教、カスター。元は、ジョセフの横暴に、真正面から立ち向かい、ギーラ教会を、追われた男だ。

 悪い匂いはしない。

 ネガレカを、心から信仰し、弱者の救済に、その身を粉にして、働いている。

 中々の、人格者だ。

 ジョセフ在位の時、ギーラ教会は、金銀財宝で、飾られていたが、カスターが、大司教に就任した際、それらを売り払い、民達の、助けとした。それ故に、民達からの、人気も高く、ギーラ領の復興が、予想以上の早さで、成される事と成った。

 信仰心の薄い、オールド帝国のガイルでさえ、一目置いている。

 そう、今のギーラ教会は、腐敗した司祭を排除し、生まれ変わっているのだ。

 ネガレカ殿も、満足であろう。

 故に、俺達三人、やり場の無い怒りに、何とも言えぬ顔をする。

 地位を奪い、宗教的破門を言い渡し、それでも、臆する事無く、暴走を続ける、ガイア達……。

 最早、道理が、通用しない。

 奴等が、どの様な思考をしているのか、さっぱり理解が出来ないのだが……。

 ゴブリンにすら勝てず、死を恐れ、逃げ回る事しか出来ない奴等が、何故、勇者や聖女と成って、魔王と対峙し様と言うのだ?

 奴等が、何に成ろうとしているのか?

 奴等が、何を成そうとしているのか?

 さっぱり、見当がつかない。

 現実的な、結論に辿り着かぬまま、俺達は、ただ、頭を悩ます。

 奴等が、何を求め、何を欲しているのか、分かってはいるよ?

 単純に、富、名声、人々の尊敬……。

 だが、奴等は、余りに、幼稚過ぎるのだ。

 結果も過程も無い。

 何も無い奴等に、全てを与えてやる事は出来ない。

 それが、現実だ……。

 奴等も被害者。

 故に、甘やかし過ぎたのかも知れない。

 いや、甘やかし過ぎた。

 と言うより、罰を罰と、理解出来ないほどの、知性しか持っていないのだ。

 地位を剥奪しても、勇者と言い張り。

 ネガレカ教を、破門されても、その意味が、理解出来ない。

 宗教的破門は、それ即ち、死後、地獄に堕ちると言う事だ。

 それが理解出来ないほどの信仰。

 いや、子供以下の、信仰心だと言う事か。

 神に、認められし者が勇者……。

 しかし、奴等は、神を信じず。神を、蔑ろにしている。

 いや、違うか……。

 神が、自分達を救う事が、当然だと思い。それ故に、人間達も、自分達に、跪くのが、当然だと思っている。

 厄介過ぎる……。

 全てを失っても、失った事を否定し、権利を主張する。

 これでは、言葉を喋る、ただのサルでは無いか。

 そう考えると、幽閉も、妥当な判断かも知れない。

 手癖に悪いサルは、檻の中に入れておくのが、最善であろう。

 殺してしまえば、一番、楽なんだがなぁ。

 本当、厄介な、連中だよ……。


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