ああ、出前があったら、頼みたい……。
案外、どうにかなるモノだ。ログナールに突したファスナ。玉砕したかと思ったが、
「君達は、多くの苦難を乗り越える事と成ろう。その先で、平和が訪れた時、まだ、私を好きだと言ってくれるのなら、その想いに、応えよう」
ファスナの心は、天へと昇って行ってしまった……。
そして、現在……。
「ふへへへ……。マヤちゃん、私の事を、お母さんと呼んでも良いのだぞ?いや!呼んでくれ!ログナール様の愛に応える為に、私は、マヤちゃんの為なら、何だってするぞ!」
「い、一生、お幸せに……。余り、私に、近づかないで下さい!」
「照れる必要は無い!私達はもう、家族じゃ無いか!」
「ひいい!?」
マヤは、俺の陰に隠れる。
ニーナの方は、イーラが張り付き、
「お姉ちゃん♪きっと、この服、お姉ちゃんに、似合う筈だわ♪」
「私は、余り、こう言うのに、詳しくない。洋服は、このローブだけで良い……」
「そんな事言わないの!お揃いの服を買おうよ!たまに、取り換えっこして、着たりしてさぁ♪ふひひひ……」
イーラの奴、吹っ切れて、シスコンを、拗らせてやがる。ニーナに、必要に抱き着き、頬ずりをしている。正直、ヤバい奴等だ。
と言うより、何故、こいつ等は、俺達の、パーティーハウスに居る?
三つ在った、客室は、二部屋占拠され、勇者パーティーの荷物が、運び込まれている。俺達の家に、住むつもりじゃ無いだろうな?
ポメットは、さも当然の様に、
「師匠ぉ♪お風呂が沸いたよ♪背中流してあげるから、一緒に入ろう♪」
「お前等、さっさと帰れ!」
「ええ!?私達も、ここで暮らさせてよ!」
「良いから、帰れ!!」
このままだと、俺達の貞操が危ない!勇者パーティーを、蜘蛛の子の様に、追い払う!
精根尽き果てた、俺達……。
夕食を、作る気にも成らない。
俺達三人、盛大にため息をつき、
「夕食は、白狼亭に、食いに行くか……?」
ああ……。
出前が有ったら、頼みたい……。




