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天翔雲流  作者: NOISE
魔王進軍
1389/1794

ある意味、暴走

 訓練場が、騒がしい……。

 何かあったか?

 イーラの、ヒステリックな叫び声。

 何事だ?

 訓練場に駆けつけると、ニーナとイーラが、対峙していた。

 涙目のイーラ……。

 ニーナを鋭く睨み、

「あんたは、何時もそう!余裕そうな顔をして、何時も、私達の、上に立って!!」

「別に私は、貴方達に、興味無い……」

「そう言う所よ!母様も私も、お父様に認められようと、必死に頑張って!それなのに!お父様は、何時も、貴方ばっかり!!」

「違う……。お父様は、貴方達の事も、ちゃんと愛していた」

「そう言う、上から目線な処が、気に入らないのよ!!」

 姉妹喧嘩か?

 その上、その横では、

「マヤちゃん!君のお父様との恋愛を、許して欲しい!!」

「はい?母様は、もう、他界していますし……。そう言う事は、父様と……」

「君にも、認めてもらいたいんだ!!」

 マヤは困惑し、ファスナは、暴走しておる。

 ラフィーは、米神を押さえ、

「貴方達、いい加減にしなさい!!」

 おお!

 勇者パーティーのブレーン!

 矛を、収めさせるか?

 しかし……。

「「貴方は、黙っていて!!」」

 駄目ですか……。

 イーラとファスナの暴走は、誰にも止められない。

 ファスナは、嫌がるマヤを抱きしめ、

「お母さんと、呼んでも良いんだぞ!!」

「いえ、結構です!」

 イーラも、ヒステリックに、

「お姉ちゃんは、全部持ってるじゃない!少しぐらい、私に分けてよ!!」

「勝手な事を、言わないで欲しい……。私を、家から追い出したのは、貴方達……。私は、ジャショウ達と強く成る……!邪魔をしないで……!」

「私達から逃げたのは、お姉ちゃんでしょう!私はずっと!ずっと……。お姉ちゃんに認められたくて……!」

 イーラは、その場で、泣き崩れる……。

 面倒な……。

 家族間の愛憎で、イーラは、少々、混乱している様だ。父親を、姉に奪われた憎しみ。それとは別に、姉を愛する心。二つの想いが、彼女の心を、不安定にさせている。

 そして、マヤの方は、ただただ、ファスナの暴走……。

 ログナールを、心から愛し、その想いを、娘であるマヤに、認めてもらいたいのだ。

 ただし、まだ、片思いらしいが……。

 告白する順序が、逆では無いだろうか?

 ニーナとマヤは、俺に気付き、俺の後ろに隠れる。

 うん……。

 厄介事を、押し付けないでくれ……。

 この状況を、どう、収拾つけろと言うのだ?情緒不安定な少女に、発情した雌。俺は、関係無いだろう?

 一同の目線が、俺に集中する。

 ふざけているのか?こんな状況、俺に、どうしろと言うのだ……?


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