好みの女性は?
余談だが、ニーナも、あの後、ネガレカに、潜在能力を開放してもらった。
溢れかえる力を、確かめる為に、訓練場へと、駆けて行った。
マヤも一緒に、付いて行ってしまう。
そして、俺は、部屋に一人……。
ふぅっと一息、ベッドに横たわる。
そんな折……!
バンッ!!
俺の部屋の扉が、盛大に開かれる!
「師匠ぉ!!」
勇者が、俺の上にダイブ!
馬乗りに成って、俺を、激しく揺らす。
「師匠!教えて下さい!師匠の食べ物の好みは?師匠の趣味は?どんな女性が、好みなんですか?」
「お前……。何だ?いきなり……」
突然の事に、俺は、困惑する。
取り敢えず、ポメットを落ち着かせ、乱された服を直す。
ポメットは、首を傾げ、
「だって!ネガレカ様が、分からない事があったら、師匠に聞けって!」
「こう言う、意味じゃねえ!!」
呆れる俺に、ポメットは、更に首を傾げ、
「ねぇ!教えて下さい!!どんなタイプの女性が、好きなんですかぁ?」
「ああ?いきなり、男の部屋に突しない、慎み深い、女性かなぁ?」
ポメットは、俺の上から静かに降りて、恥じらう様に、
「えへへへ……。師匠、今後とも、よろしくお願いします♪」
何だ?そのリアクションは?
俺の部屋に、突撃した事は、帳消しに成らないぞ?
どうなってんだ?コイツの頭は……。
勇者と言うのは、頭のねじが、一本か二本、吹っ飛んでいるんじゃ無いだろうな?
俺は、眠気も吹っ飛び、ウンザリした顔で、部屋を後にする。
取り敢えず、ニーナ達の、様子を見に行こう。
俺の半歩後ろを、ポメットが歩く。
さっき、馬乗りして来た少女が、遠慮がちに、俺の服の裾を掴む。
だから!
そんな事では、帳消しに成らんぞ!
はぁ……。
色々、言いたい事は有るが……。
もう、どうでも良いか……。




