今度の行き先は……。
「冗談は、これ位にして……。本題は、何ですか?俺の本性の確認は、ついでだったのでしょう?おおよその、見当はつきますが……」
「ほう、おおよその見当がつくの?何だと思うんだい?ジャショウ君」
イシュタナの奴、楽しんでいるな?
俺は、ウンザリした顔で、
「今度の行き先は、レーザル聖帝国ですか?ホブゴブリンしか倒せぬ勇者を抱え、四天王の相手は、厳しいでしょう?」
「おお!八割以上正解♪君は、本当に、話が早くって、助かるよ」
「二割は、何ですか……?」
碌でも無い事だが、聞いておこう。
イシュタナは、満面の笑顔で、
「私の娘が、ジャショウ君と、会いたいって」
やっぱり、どうでも良い事だった……。
今度は俺が、ウンザリした顔で、
「私は、見世物じゃ、ございませんよ?さっさと、エルバートに戻って、冒険をしたいのですが……」
「済まないけど、後生だよ。このままじゃ、レーザル聖帝国が、滅びてしまう」
「玉砕覚悟で、勇者に、戦わせれば良いでしょう?少なくとも、あの神剣は、最強装備ですよ?」
「ねえ、どうやって?ホブゴブリン相手に、死闘を繰り広げる勇者に、どうやって、四天王を、倒させると言うのだい?」
「はぁ……」
何もかもが、雑で、早すぎたのだ。
勇者には、青いスライムでも、倒させていろよ。
そうなると、俺が、戦わなくちゃ、成らないと言う事か……。
ああ、頭が痛い……。
この流れからして、俺達は、レーザル聖帝国に、ドナドナされるのは、必至だ。
俺は、諦めの境地で、
「フィリス三世国王陛下も、それで、よろしいのですね?」
「うむ。既に、三国同盟は、樹立された!諸外国には、宣言してある!ジャショウよ。援軍、頼まれてくれぬか?」
「私は、冒険者です……。それに見合った報酬を、頂けると言うのであれば、別に構いませんが……」
「うむ!為らば、よろしく頼む!」
「はぁ……」
仕方が無い……。
もう一働き、するとしようか……。




