ゆっくりと動き出す、世界の情勢
「よう、ジャショウ!また、大活躍だったんだってなぁ!」
「ははは……。モグさん、何時も通りですよ」
「お前の何時も通りって、何なんだよ?戦闘、魔法、レンジャー、雑用、荷物持ち!オールマスターのジャショウに。今じゃあ、剣聖と呼ばれる、マヤちゃん。そして、大賢者のニーナちゃんと来て、向かう所、敵無しじゃねえか!」
「俺達の仕事も、取っといてくれよぉ」
「ははは……。東のダンジョンの地図。手に入れたんですけど、要りますか?」
「マジかよ!」
少し、調子に乗り過ぎて、暴れ過ぎたか。
俺達、相性、良すぎるんだよなぁ……。
マヤは、急成長しているし。ニーナは、それに負けじと、魔法のレパートリーを増やしている。
二人共、頑張り過ぎだ。
たまには、他のパーティーの、手助けをするか。
と言っても、グレイアックスだが……。
そんな訳で、グレイアックスと、合同で、ダンジョン攻略を、する事と成った。
久々の、俺との冒険で、モグ達は、大張り切りだ。
キズナとノエナは、子供の様に、はしゃいでいる。
マガンは、俺の首に手を回し、
「よう、ジャショウ!冒険者の間では、あの戦いは、語り草だぜ!魔物達を、バッタバッタと、倒しちまったからなぁ。本当の勇者は、お前じゃ無いかって、噂しているぜ」
「ははは……。俺は、冒険者ですよ。勇者なんて、面倒臭くて、やってられません」
「相変わらず、無欲な奴だなぁ。勇者だったら、金や女も、思いのままだろうに」
「それ位、冒険者でも、手に入りますよ」
面倒事は、御免だなぁ……。
今の内に、冒険者を、謳歌しよう。
ガイアの馬鹿は、ボロボロだしな。
オールド帝国は、殺気立っていると聞く。
矛先は、ギーラ教会に……。
そのギーラ教会は、ジョセフ司教が、行方不明。偽聖女は、化けの皮が剥がされ、聖女の座から、蹴落とされてしまった。
最早、何の力も持たない……。
そこで、浮かんできた疑問が、誰が、風のイシュノヴァを倒し、エルバートを守ったかだ。
表向きは、勇者の功績に成っているが、誰も信じない。
さてと……。
もう一波乱、有りそうだな……。




