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天翔雲流  作者: NOISE
神々の願い
1366/1794

綻ぶ糸

 最早、ギーラ教会、ジョセフ司教には、後が無い。

 勇者、勇者?勇者?勇者??

 全てを手に入れようとした、欲深き男の手には、偽勇者と偽聖女だけが残った。

 それでも、フィリス三世は、許さない。

 賢者は、今回の戦いで、負傷し、戦線を離脱した事と成っている。

 四天王の一人を倒したのは、勇者と言う事にも成っている。

 良かったじゃ無いか!

 勇者を育てた司教は、報われたじゃ無いか!

 馬鹿を言うな……。

 あの勇者は、何の役にも立たない。

 あの聖女に、予言は出来ない……。

 それでも他国に、熱望される。

 今回の不祥事は、魔術師ギルドには、既に、察知されている。

 勇者が、賢者を盾にした……。

 エルバート国に続き、魔術師ギルドも、ギーラ教会と、距離を取る様に成った。

 もう、どうしようもない……。

 取り敢えず、見せかけだけの、勇者の威光を使い、ギーラ領の復興。

 しかし、その先に待つのは、絶望しか無い。

 今回の一件で、魔王軍が、その気に成れば、何処の国であろうと、蹂躙出来ると証明されたのだ。

 そもそも、ギーラ教会の在る、ギーラ領とは、それほど、大きな領地では無い。

 防衛も、至高神ネガレカの威光を借り、他国に任せていた。

 特に、エルバート国……。

 俺の居る国との関係が、最も、重要だったのだ。

 それが、欲を出し、不和を生じさせてしまった。

 表向きは、多額の援助金を渡し、ジョセフ司教達を、送り出してくれたが……。

 手切れ金の様なモノだろう。

 苦肉の策で、偽聖女を、ギーラ領に残す形を取り、民を落ち着かせる事とする。

 勇者は……。

 魔族と、激戦を繰り広げている、オールド帝国に、預けるしか無いだろう。

 こんな筈じゃ無かった……。

 ゆっくりと剥がされる、ギーラ教会のメッキ。

 恐らく、勇者を前線に送れば、全てがまやかしだと、全世界に知られる事と成る。

 この日から、最高指導者、ジョセフは、酒に溺れ、呪いの言葉を、囁く様になった……。


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