急襲!!
「きゅ、急報!!魔王軍軍勢が、ギーラ教会を蹂躙し、我が王都、エネッサに進軍!!」
「「「何!?」」」
青天の霹靂!
ジョセフ司教は、真っ青な顔をする。
フィリス三世は、深く息を吐き、
「敵の大将は誰だ?」
「はっ!魔王軍四天王が一人、風のイシュノヴァ!副官を務めるは、暴虐のゴッテスと思われます!イシュノヴァは、その機動力で、我等が背後、北より攻めて来ています!ゴッテスは、真っ直ぐと、南より進軍!!数からして、一撃離脱!勇者を狙っての、攻撃と思われます!!」
「そうか、分かった……。では、早速だが、勇者殿には、力を見せてもらおう!北門前に陣を張り、イシュノヴァを、見事倒してみせよ!」
「なっ!?ふざけるな!勝てる訳が無いだろう!?」
「勇者が戦わずして、誰が戦うのじゃ!!騎士団長よ!兵を集めて、勇者パーティーと共に、イシュノヴァの迎撃に当たれ!南門の方は、冒険者を集め、ジャショウを中心に、ゴッテスを倒すのだ!!」
やれやれ……。
急展開だな。
恐らく、神剣の復活に、魔族が呼応したのだろう。
本気で、勇者を殺す気だ。
ガイアよ……。
ここが、踏ん張り時だぞ……。
砂塵が舞う……。
大地を埋め尽くす、魔物の群れ……。
俺は一人、先陣に立つ。
いや、俺の横には、マヤが……。
そして、グレイアックスや白銀の牙の、メンバー達が……!
「ジャショウ!お前の本気、見せてもらうぞ!」
モグ達が、俺に注目する。
俺は、優しく笑い、包帯を解く。
空を舞う包帯……。
俺は、宙に舞い、凶悪な笑みを浮かべる!
「下郎共が!!」
暴虐!!
大地が、消失する!!
さあて、一暴れするか!!
魔族は、半数以上の兵を失い、尚も、襲い掛かる!
俺は、次々と、敵を倒してゆく!
奮起する、冒険者達!
圧倒的優勢の中、
「我は、暴虐のゴッテス!我と闘う勇者はおるか!!」
俺は、微笑を絶やさず、
「うん……。能書きは良い。かかって来いよ!」
「貴様!!」
ゴッテスの鉄球が、俺を襲う!
ガッ!!
それを片手で押え、
「まあまあだったよ……」
驚愕に歪む、ゴッテスの顔。
次の瞬間、その首は、宙に舞う。
俺は、ゴッテスの首を掲げ、
「敵将ゴッテス、討ち取ったり!!」
「「「おおおお!!」」」
まあ、こんなもんでしょう……。
北の方は、勇者君、頑張っているかなぁ……。




