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天翔雲流  作者: NOISE
神々の願い
1359/1794

復讐……!

 やれやれ……。

 こんなダンジョンに、五人パーティーとか……。

 笑っちまうよ……。

 ふと横に、俺の服を、遠慮がちに引っ張る少女が、

「あ、あの……。ジャショウさんですよね……?」

「んあ?え~と……。ログナール殿のご息女の、マヤさんだっけ?」

「は、はい!お父様が、ジャショウさんは、凄い戦士だって、言っていました!」

「ただの、荷物持ちなんだがなぁ……。まあ、ある程度は、戦えるから、一緒に頑張ろう」

「は、はい!」

 ダンジョン内を、どんどん進む。

 罠は無いと聞いていたから、大丈夫だろう。

 気になるのは、後から、ログナール殿が、ついて来ている事か。

 俺は、後ろを振り向き、ウインクをする。

 それでも、一応、付いて来るのね。

 しばらくすると、広いフロアに、到着する。

 そこで、ガイアが、急に立ち止まる。

 マヤの方を向き、

「おい!お前、剣の腕に、自信が有るんだろう?俺と勝負しろ!!」

「え……?私、そんな……」

 ガイアは、ニヤニヤ笑う。

 成る程な……。

 ログナールへの仕返しか……。

 ガイアは、にやけた顔で、

「俺は勇者だからな……。アメラ!支援魔法をかけてくれ!」

「はいは~い♪任せて♪」

 こいつも、嫌な女だ……。

 嫌らしい目をして、ガイアに魔法を駆ける。

 怯えるマヤに、

「おらぁ!!」

 ガイアは、有無も言わさず、力任せに、斬りかかる!!

「きゃあああ!!」

 小さな少女に、何やってんだ!?

 ガイアは、にやけた顔で、

「お前の親父には、散々いびられたが……。娘には、甘かったのかなぁ?」

 よろよろと立ち上がったマヤに、ガイアは、剣を捨てて、殴りかかる!!

ガシッ!!

 ぬな事、許すかよ……。

 初めて会った時同様、俺は、ガイアの拳を、顔で受け止める。

 成長していねえなぁ……。

 俺は、ガイアを睨み、

「やるんだったら、俺が潰すぞ!!」

「くっ!?」

 ガイアは、拳を押さえ、後ろに下がる。

 憎々し気に、

「俺を殺したら、世界が滅びるんだぞ?」

「知るかよ?んな事……」

「はあん?俺の力が、必要無いと……。だったら、最下層まで、お前達二人で、敵を倒してみろよ!!」

「フッ……。足手まといなんて、必要無いさ……。マヤ……。大丈夫か?」

「は、はい……。御免なさい……」

「君が、謝る事じゃ無い!こんなクズ共と、パーティー組むなど、虫唾が走る!サッサと行こう」

「は、はい!」

 俺は、ガイアを押しのけ、前を進む。

 ゴブリン、ゴブリンシャーマン、ホブゴブリン……。

 すれ違いざまに、首が飛ぶ!

 こんな、ちんけなダンジョンに、何の興味も無い!

 ついでに、勇者の首も、飛ばすかな?

 あっと言う間に、最下層……。

 さあて、神剣とやらを、拝ませてもらうとしようかな……?


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