復讐……!
やれやれ……。
こんなダンジョンに、五人パーティーとか……。
笑っちまうよ……。
ふと横に、俺の服を、遠慮がちに引っ張る少女が、
「あ、あの……。ジャショウさんですよね……?」
「んあ?え~と……。ログナール殿のご息女の、マヤさんだっけ?」
「は、はい!お父様が、ジャショウさんは、凄い戦士だって、言っていました!」
「ただの、荷物持ちなんだがなぁ……。まあ、ある程度は、戦えるから、一緒に頑張ろう」
「は、はい!」
ダンジョン内を、どんどん進む。
罠は無いと聞いていたから、大丈夫だろう。
気になるのは、後から、ログナール殿が、ついて来ている事か。
俺は、後ろを振り向き、ウインクをする。
それでも、一応、付いて来るのね。
しばらくすると、広いフロアに、到着する。
そこで、ガイアが、急に立ち止まる。
マヤの方を向き、
「おい!お前、剣の腕に、自信が有るんだろう?俺と勝負しろ!!」
「え……?私、そんな……」
ガイアは、ニヤニヤ笑う。
成る程な……。
ログナールへの仕返しか……。
ガイアは、にやけた顔で、
「俺は勇者だからな……。アメラ!支援魔法をかけてくれ!」
「はいは~い♪任せて♪」
こいつも、嫌な女だ……。
嫌らしい目をして、ガイアに魔法を駆ける。
怯えるマヤに、
「おらぁ!!」
ガイアは、有無も言わさず、力任せに、斬りかかる!!
「きゃあああ!!」
小さな少女に、何やってんだ!?
ガイアは、にやけた顔で、
「お前の親父には、散々いびられたが……。娘には、甘かったのかなぁ?」
よろよろと立ち上がったマヤに、ガイアは、剣を捨てて、殴りかかる!!
ガシッ!!
ぬな事、許すかよ……。
初めて会った時同様、俺は、ガイアの拳を、顔で受け止める。
成長していねえなぁ……。
俺は、ガイアを睨み、
「やるんだったら、俺が潰すぞ!!」
「くっ!?」
ガイアは、拳を押さえ、後ろに下がる。
憎々し気に、
「俺を殺したら、世界が滅びるんだぞ?」
「知るかよ?んな事……」
「はあん?俺の力が、必要無いと……。だったら、最下層まで、お前達二人で、敵を倒してみろよ!!」
「フッ……。足手まといなんて、必要無いさ……。マヤ……。大丈夫か?」
「は、はい……。御免なさい……」
「君が、謝る事じゃ無い!こんなクズ共と、パーティー組むなど、虫唾が走る!サッサと行こう」
「は、はい!」
俺は、ガイアを押しのけ、前を進む。
ゴブリン、ゴブリンシャーマン、ホブゴブリン……。
すれ違いざまに、首が飛ぶ!
こんな、ちんけなダンジョンに、何の興味も無い!
ついでに、勇者の首も、飛ばすかな?
あっと言う間に、最下層……。
さあて、神剣とやらを、拝ませてもらうとしようかな……?




