友……。
「お~い!カミーユ!猫じゃ無いんだから、そんな木の上で、いじけてるんじゃ無いぞ!」
「何しに来たんだよ!」
「王様に頼んで、カミーユと、友達に成らせてもらった!」
「僕と友達……?」
「おうよ!カミーユも、王族なら、王族の責務を果せ!俺と友達に成ろう!カミーユ!」
カミーユが、俺を睨む……。
真っ直ぐ見詰め、
「僕に取り入って、権力が欲しいのか?」
「何言ってんだ?お前」
俺は、心底呆れる。
「取り入るなら、フィナ様だけで、十分だろう?そもそも、城に来るのも、面倒なんだ。俺の夢は、冒険者に成る事だ!王族の権力なんて、興味もねえよ!」
「そ、それもそうか……。じゃあ、何で?」
「昔の友達に、少し、似ているからかなぁ?それと、カミーユは、面白い奴だからな!」
「男の真似事をするから、笑っているのか?」
「はあ?冒険者には、女だって、剣を握って、戦う者も居るぞ?別に、珍しくもねえ!」
「じゃあ、じゃあ!」
「ごちゃごちゃ、五月蠅い奴だなぁ……。昨日の続きをするぞ!剣の稽古だ♪」
カミーユが、やっと、木から降りてくる。
もじもじとしながら、
「カミーユだ……」
「うん?」
「だから!僕の名前は、カミーユだ!」
「ああ、知っているぞ?さっきから、呼んでるじゃないか?」
「お前の名前を、聞いてない……」
「ああ、そう言う事か。俺の名前は、ジャショウと言う!よろしくな♪カミーユ!」
「ジャショウ……。分かった!今日は、負けないぞ!勝負だ!ジャショウ!」
「はいはい……。俺を、一歩でも動かせられれば、お前の勝ちだ。精々頑張んな」
俺は、カミーユの頭を、クシャクシャに撫でまわす。
やれやれ……。
自分で言った事だが、これじゃあ、城に、通う必要が有るなぁ……。




