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天翔雲流  作者: NOISE
神々の願い
1353/1794

最高の咬ませ犬……?

 胃の縮む様な、楽しいお茶会は終わり、騎士に連れられ、城を後にする。

 しかし、その途中……。

「おい!お前は、魔法使いか?」

 また、面倒臭そうなのが、現れた。

 白銀の髪の美少年……。

 フィナの、弟か何かか?

 騎士は、驚き、

「こ、これは、ひ……」

「あ?」

 何か言いかけた、騎士を威嚇する。

 少年は、俺を値踏みする様に見て、

「魔法使いか?」

 また、問いただす。

 俺は、苦笑を浮かべ、

「別に……。何と言えば良いかなぁ?冒険者の卵ですよ」

「冒険者の卵ぉ?」

 あからさまに、胡散臭そうに見ている。

 参ったなぁ……。

 帰りたい……。

 また、ジロジロ見て、

「冒険者なら、剣が使えるな!僕と勝負しろ!」

「勝負って……。俺はただの……」

「いいから、勝負しろ!!」

 木剣を、無理やり押し付ける。

 オロオロとする騎士達……。

 勘弁してくれぇ……。

 少年は、有無も言わさず、斬りかかって来る!

 俺は、それを、軽く躱し、

「力み過ぎだ!もう少し、肩の力を抜きなさい!」

「このお!!」

「腕だけで、剣を振るうんじゃ無い!」

「これなら!!」

 最初は、嫌々だったが……。

 中々、面白い子じゃ無いか。

 俺は、一歩も動かず、全ての剣を受け流す。

 恐らく、王族だから、怪我させる訳にはいかないか……。

 少年の、渾身の突きを、剣で弾いて、これにて終了。

 俺は、少年の頭に、手を乗せて、

「強く成れよ……」

 はぁ……。

 面倒事は、勘弁、勘弁……。

 さっさと、退散しよう……。



 次の日……。

 また、城に呼ばれた……。

 まずったなぁ……。

 昨日の、少年との立ち合いが、問題に成ったのかもしれない。

 ストレスで、胃が、キリキリする。

 謁見の間に通され、

「ジャショウよ、待っていたぞ!」

「はあ……。本日は、どの様なご用件で?」

 フィリス三世の横には、フィナと、案の定、昨日の少年が、立っていた。

 怪我させなかったが、お叱りか?

 フィリス三世は、少年の方を向き、

「この者は、カミーユと言う」

 カミーユ?

 女みたいな、名前をしやがって……。

 とか言ったら、最高の、噛ませ犬に、成ってしまう。

 フィリス三世は、ため息をつき、

「フィナの妹なんじゃがなぁ……。どう、教育を間違ったか、男の様な真似をする」

 本当の、女かよ。

 カミーユは、頬を膨らます。

「僕は、騎士に憧れているんだ!僕の事なんだから、どうしようと勝手でしょう?」

「カミーユ!」

 フィリス三世には珍しく、声を荒げる。

 カミーユは、真っ赤な顔で、

「五月蠅い!五月蠅い!!」

 ああ……。

 走って行っちゃたよ……。

 俺は、嘆息を漏らし、

「国王陛下……。この様な時に、大変失礼ですが……。褒美を頂けないでしょうか?」

「ぬ?別に構わぬが……。どうした?ジャショウよ」

「はっ!カミーユ様とも、お友達に、させて頂きたく……」

「カミーユの友に……?」

 どっかの、お姫様を、思い出しちまうんだよなぁ……。

 まあ、あっちは、女としての自覚が、ちゃんと有ったが……。

 フィリス三世は、目を細め、

「そちには、世話をかけるのう……」

「いえ……。私には、友と呼べる者が、少ないですから……。王族を、友と呼ぶなど、不敬に価しますが……」

「良い!一人の親として頼む!あの子の、良き理解者に成ってくれ!」

「畏まりました……」

 さてと……。

 カミーユを、探しに行くか……。


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