白銀の牙4
午後三時、ダンジョンへと到着……。
俺は、キャンプの準備を、しようとするが……。
「ジャショウ君、何をしているのかな?」
ロズワールが、俺に、問い掛ける。
俺は、首を傾げ、
「もう、良い時間なので、キャンプの準備を……」
「キャンプの必要は無い!たかが、十階層、このまま、ダンジョン攻略をする!」
何を言っているんだ?コイツ……。
焦り過ぎて、周りが見えていない。
俺は、真剣な顔で、
「お言葉ですが……。皆さん、体力を消耗しています!今日は、ここで一泊し、早朝から、ダンジョン攻略をしても、遅くは無いでしょう?」
「はぁ……。確かに君は、グレイアックスから借りた客人だ!だから、ある程度、黙認していたが……。君はあくまで、ただの雑用!このパーティーのリーダーは、私だ!口答えは、許さない!!」
俺とロズワールは、睨み合う。
モグ達が、特別だった訳か……。
俺は、ふぅっと息を吐き、
「畏まりました……。どうぞ、ご自由に」
再び、荷物を背負う。
もう、知らん!
ロズワールの、傲慢な態度に、他のメンバーが、眉を顰める。
特に、ゴットンとヤーラとメメカは、露骨だ。
キスケは、我関せず、
「さっさと、ダンジョン攻略、しちまおうぜ」
ロズワールと共に、ダンジョンへと、入って行ってしまった……。
ゴットン達は、俺の前に、
「済まない……。せめてお前だけは、無事に送り返す!」
「何考えているのでしょう?ロズワールは」
「どう考えても、ジャショウ君が正しい」
はぁ……。
どうしたものか……。
俺は、苦笑し、
「いえ、俺が、出過ぎたまねを、してしまっただけです」
まあ、十階層なら、大丈夫だろう……。
早く、依頼をこなし、グレイアックスに、戻りたいなぁ……。




