白銀の牙2
やれやれ……。
白銀の牙は、噂通り、険悪な雰囲気だ。
ロズワールに、パーティーメンバーを、紹介されたが、二言三言喋って、黙ってしまった。
戦士兼リーダー、ロズワール。
重戦士兼副リーダー、ゴットン。
シーフ、キスケ。
魔法使い、メメカ。
ヒーラー、ヤーラ。
俺は、何時も通り、荷物を背負う。
ロズワールは、慌て、
「ジャショウ君!余り、無理はしなくて、良いのだぞ」
「ありがとうございます。万が一、パーティーがばらばらに成った時を考え、皆さんには、最低限の荷物を、持って頂きますが、これ位の荷物は、私が持ちます!皆さんは、冒険に、専念して下さい」
「そ、そうか……」
補給品を揃え、ダンジョンへと出発する。
この冒険で、このパーティーに、今一度、絆が生まれると良いのだが……。
さっさと前に進む、シーフのキスケ。
それの続くは、ロズワール。
重装備ながら、ゴットンは、俺の横を、黙々と歩く。
ヤーラとメメカの女性陣は、遅れ始めているな……。
大丈夫だろうか……?
不意にゴットンが、
「済まないな……。君には、家のパーティーの事で、迷惑をかける」
「えっ!ああ、大丈夫ですよ。それより、少し兵站が、間延びしています。一旦、休憩を挟み、陣形を整えましょう」
「む?確かに、そうだな」
「申し訳ありません……。荷物持ちが、生意気言って……」
「いや、お前の言う通りだ。ロズワール!一旦、休憩しよう!」
「ん?ああ、そうだな……」
ロズワールが、素直に肯定する。
しかし、キスケは、頬を膨らませ、
「んだよ!ちんたら歩いていたら、日が沈んじまうぜ!」
また、険悪な雰囲気に……。
俺は、慌て、
「キスケさん!申し訳ありません!俺が少し、疲れてしまったので、皆様には、ご迷惑をおかけしますが、十五分ぐらい、休憩させて下さい」
「しゃあねえなぁ……」
キスケは、仕方が無いかと言う風に、肩をすくめる。
皆が、腰を下ろしたのを確認し、
「今、お茶の準備をしますね」
俺は、何時も通り、魔法を駆使し、冷たい紅茶を作る。
水分摂取に、塩分摂取。
それと、甘い物が有れば、少しは、気持ちを落ち着けられるだろう。
魔法を使い、それらを用意する俺に、白銀の牙のメンバーは、目を丸くする。
「ジャ、ジャショウ君……。君、魔法が使えるのかい?」
「え?ああ……。簡単な魔法でしたら……」
「そ、そうか……」
もう慣れた……。
驚く一同には、気にも留めず、タオルを冷やし、ロズワール達に渡す。
後は……。
兎に角、やれる事は、やっておくか……。




