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天翔雲流  作者: NOISE
神々の願い
1339/1794

俺の道理!

「ふへぇ。緊張した」

 マガンが、俺に、もたれかかる。

 しかし、良き王であったな。

 クルセット教会への、援助は約束された。

 それだけで、十分だ。

 しかし、モグは、思う事があったらしく、

「ジャショウよ。あれで良かったのか?」

「何がですか?」

 モグだけじゃない。

 マガン達は、真剣な目で、

「恩賞だよ!俺達の同じ、十万ルーベを、貰ったって良かったんじゃねえか?」

「はあ……?俺は、欲深い男なので。長い目で見れば、皆さんより多くの、恩賞を頂く事に成るかと」

「ジャショウ君……」

「理屈は分かるけど、欲深くは、無いわねぇ」

「そうでしょうか?」

「ジャショウよ!もう少し、自分を、大切にしろ!これは、リーダー命令だ!」

「は、はあ……。分かりました。けど、俺の道理も、分かって下さい!俺を救ってくれた、大切な人達の、幸福が、第一です!」

「ふっ……。お前も、強情な奴だな」

「はい!俺は、強欲ですから」

 交互の憂いも、これで無くなった!

 さてと……。

 冒険者を、謳歌するぞ!



 クルセット教会に戻れば……。

「ああ!ジャショウ君!」

「ど、どうかしましたか?トリナさん」

「先程、王宮から、人が来て!」

「何か言われたのですか?」

 やはり、一荷物持ちの言葉など、貴族達の怒りを買っただけだったか?

 トリナは、涙を流し、

「これから、毎月、視察をすると!これから、子供の人数、状況を見て、援助して下さると、約束して下さったのです!」

「あ、ああ。そうか……。良かったじゃ無いですか」

「使いの者が、これは、ジャショウ君への、恩賞だと!ジャショウ君が、国王陛下に、直訴して下さったと、言っておりました!」

「あ、あぁ……。子供の言う事に、素直に対応してくれた、国王陛下に、感謝いたしましょう。俺は、大した事は、やっておりませんよ」

 トリナは、一人で、子供達を守っていたのだなぁ……。

 俺に縋り、大声で泣く。

 この人の献身が、報われる様に、俺は、俺の出来る事を、精一杯やる事としよう……。


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