俺の道理!
「ふへぇ。緊張した」
マガンが、俺に、もたれかかる。
しかし、良き王であったな。
クルセット教会への、援助は約束された。
それだけで、十分だ。
しかし、モグは、思う事があったらしく、
「ジャショウよ。あれで良かったのか?」
「何がですか?」
モグだけじゃない。
マガン達は、真剣な目で、
「恩賞だよ!俺達の同じ、十万ルーベを、貰ったって良かったんじゃねえか?」
「はあ……?俺は、欲深い男なので。長い目で見れば、皆さんより多くの、恩賞を頂く事に成るかと」
「ジャショウ君……」
「理屈は分かるけど、欲深くは、無いわねぇ」
「そうでしょうか?」
「ジャショウよ!もう少し、自分を、大切にしろ!これは、リーダー命令だ!」
「は、はあ……。分かりました。けど、俺の道理も、分かって下さい!俺を救ってくれた、大切な人達の、幸福が、第一です!」
「ふっ……。お前も、強情な奴だな」
「はい!俺は、強欲ですから」
交互の憂いも、これで無くなった!
さてと……。
冒険者を、謳歌するぞ!
クルセット教会に戻れば……。
「ああ!ジャショウ君!」
「ど、どうかしましたか?トリナさん」
「先程、王宮から、人が来て!」
「何か言われたのですか?」
やはり、一荷物持ちの言葉など、貴族達の怒りを買っただけだったか?
トリナは、涙を流し、
「これから、毎月、視察をすると!これから、子供の人数、状況を見て、援助して下さると、約束して下さったのです!」
「あ、ああ。そうか……。良かったじゃ無いですか」
「使いの者が、これは、ジャショウ君への、恩賞だと!ジャショウ君が、国王陛下に、直訴して下さったと、言っておりました!」
「あ、あぁ……。子供の言う事に、素直に対応してくれた、国王陛下に、感謝いたしましょう。俺は、大した事は、やっておりませんよ」
トリナは、一人で、子供達を守っていたのだなぁ……。
俺に縋り、大声で泣く。
この人の献身が、報われる様に、俺は、俺の出来る事を、精一杯やる事としよう……。




