違和感……!
「へへへ……。結果オーライ♪それにしても、ジャショウ!お前、頭が回るなぁ」
「へ?そうでしょうか?」
「うむ!お前が、とっさに、風の流れに気付かなければ、パーティーは、混乱していただろう!」
まあ、こう見えて、冒険稼業は、長いからなぁ……。
褒められた事を、素直に喜び、持ち場に戻る。
それにしても……。
この人達は、オーガ、トロルも、簡単に倒すか……。
とんでもないパーティーの、雑用に成ったな。
十九階層を走破し、いよいよ、ニ十階層か。
普通に考えれば、セーフポイントだが……。
嫌な、予感がする……。
禍々しい気配を感じる。
これは、一波乱ありそうだ……。
セーフポイントだと思い込み、気を抜いたモグ達。
俺は、眉間にしわを寄せ、
「モグさん危険だ!何か、嫌な気配がする!」
「何……?」
モグ達は、一瞬で、戦闘態勢を取る。
俺みたいなガキの言う事を、聞き入れてくれるか……。
モグは、アックスを構え、ゆっくりと、扉を開く。
禍々しい、瘴気……!
そこには、一人の騎士が立っていた。
首が無い……?
いや、左手に抱えた首!
デュラハンか!
モグは、声を荒げ、
「キズナは、神聖魔法を!ノエナは、炎系魔法!俺は、デュラハンを引き付ける!マガン!三人の護衛を任す!!」
戦闘が、始まった!
デュラハンとモグが、激しくぶつかり合い、剣戟の音が、室内に木霊する!
キズナとノエナは、詠唱を始め……!
その時、異変が!
デュラハンの闘気で、時空が歪み、魔物達が、溢れかえる!!
グールか!
マガンが応戦するが……!
「ちい!数が多すぎる!!って、ノエナ!!」
グール数体が、ノエナに、襲い掛かる!!
仕方が無いか……。
俺は、ロングソードを抜き、華麗に舞う。
グールの首が飛び、
「モグさん!後ろは、気にしなくて大丈夫です!キズナさんとノエナさんは、そのまま詠唱を!マガンさん!俺達で、グールを、食い止めますよ!!」
「お、おう!」
はぁ……。
俺も、デュラハンと、戦いたかったなぁ……。
俺は、荷物を背負ったまま、迫り来るグールを、次々と、倒してゆく。
何体倒したか?
風向きが変わる!
キズナとノエナが、
「ファイヤーアロー!!」
「シャインストライク!!」
二つの魔法が、デュラハンに直撃する!!
デュラハンのその身は崩れ、炎に巻かれる!!
「うおおお!!」
そこに、モグの会心の一撃!!
決まったな……。
デュラハンは消滅し、グール達も、崩れ去ってゆく。
ニ十階層の部屋は、青白く輝き、セーフポイントへと、姿を変えた……。




