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天翔雲流  作者: NOISE
神々の願い
1325/1794

新たな仲間

「あの!ジャショウと言います!よろしくお願いします!」

 モグに連れられ、グレイアックスのメンバーに、挨拶をする。

 久々に緊張したが、温かい拍手で、迎え入れられる。

 戦士兼リーダーのモグ。

 シーフ兼サブリーダーのマガン。

 僧侶のキズナ。

 魔法使いのノエナ。

 四人パーティーの様だ。

 マガンが、ニッコリ笑い、右手を差し出す。

 俺は頷き、その手を握る。

 次の瞬間……!

「っと!悟られない様に、攻撃したつもりだったんだがなぁ……。よく、俺の一撃に気付いた!合格だ」

 殺気は無かったが、マガンの左手には、ナイフが握られていた。

 俺がそれを、受け止めたと言う事だ。

 キズナが、怒った表情で、マガンの耳を引っ張る。

「いつつつっ!?」

「マガンさん!何やってるんですか?」

「い、いや!冒険者と言うモノの、厳しさを教えてやろうと思って」

「子供に止められてやんの。マガン、だっさ~い」

 ノエナが、ぷぷぷと笑う。

 中々、癖のあるパーティーの様だ。

 今度こそ、皆、席に就く。

 モグは、大きく頷き、

「それじゃあ、ジャショウには、荷物持ち兼雑用を、やって貰う!」

「モグさん!こんな子供に、荷物を持たせると言うのですか?可愛そうです!」

 俺を心配するキズナに、マガンは、ため息をつき、

「あのなぁ……。まだ、冒険者じゃ無いからこそ、荷物を持たせるんだ……。今の内に、足腰を鍛え、一端の冒険者にしてやるのが、俺達の役目なんだよ!」

「で、でも!」

 色々、考えてくれてんだなぁ……。

 俺を気に掛けてくれる、キズナさんは有難いが、

「あの!キズナさん!ありがとうございます!けど、マガンさんの言う通り、俺は、冒険者に成る為に、このパーティーに、入れて貰ったんです!頑張りますから、気になさらないで下さい!修行だと思えば、苦じゃ無いです!むしろ、どんと来いです!」

「ジャショウ君……」

 一同が、俺を見詰める。

 マガンは、膝を叩き、

「かぁ!良く言った!モグ!俺は、コイツの事が、気に入ったぞ!」

「うむ!後は、実戦で、どれ程、役に立つかだな」

「ジャショウ君!何かあったら、お姉ちゃんに言ってね?」

「あたしも居るよぉ♪まあ、気楽に頑張んなよ♪」

「それじゃあ、新しい仲間に、乾杯だ!」

「「「おお!」」」

 まあ、何とか、雑用だが、冒険者に成れた。

 後は少しずつ、実績を積んで、信頼を得る必要が有るな。

 孤児院の子達の為にも、頑張らないとな……。


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