クルセット教会
クルセット教会……。
「チツターしゃま♪」
「シスター様!」
「お腹空いたぁ!」
ふむ……。
子供の数は、十三人か……。
上は、十二、三歳。
下は、一、二歳……。
余り、裕福とは言えないな。
年長の者達は、初めて会ったと言うのに、憎々し気に、俺を睨む。
「シスター、そいつ誰だよ?」
余り、歓迎されていない様だ。
しかし、トリナは、ニッコリ笑い、
「この子ですか?ジャショウ君と言って、皆と同じ境遇の……」
「はあ?同じ境遇?どうでも良いよ、そんな事!そいつがここに来るんじゃ、俺達の食い扶持が、減るじゃねえかよ!!」
「ガイア君!何ですか?その言い草は!ジャショウ君は、私を助けて下さり、何の見返りも求めぬ、素晴らしい子ですよ!これは、神の御導きです!異論は認めません!!」
「ちっ……!」
少年達は、忌々し気に、出て行ってしまった。
ため息をつくトリナ……。
残された子供達は、無邪気に、
「お兄ちゃん、痛い痛い?」
不思議そうな顔で、俺の顔に巻かれた包帯を、優しく触る。
良い子達だな……。
俺は、優しく笑い、
「大丈夫だよ。ありがとう」
「あい♪」
幼い子達とは、直ぐに打ち解けた。
子供の面倒は、得意なんだよ。
トリナは、ニコニコ笑い、
「今、夕食の支度をしますね♪」
「あっ!はい!何か、手伝う事は?」
「うふふ……。ジャショウ君は、子供達の面倒を見て下さると、助かります」
「はあ……。じゃあ、お兄ちゃんと、遊ぼうか?」
「「「わ~い♪」」」
じゃれついてくる、子供達……。
まあ、しばらくの間は、様子を見るとしようか……。




