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天翔雲流  作者: NOISE
神々の願い
1320/1794

先ずは、第一歩

 また、この感覚か……。

 俺は、草原の中で、むっくりと立ち上がる。

 記憶は、ちゃんとあるな……。

 遥か遠方にある街が、エネッサだろう。

 ふと横を見ると、リュックが一つ。

 俺は、首を傾げる。

 丁度そこで、

『ジャショウ殿!』

「ん?この声は、ネガレカ殿か?」

『はい。今後私が、サポートします!それで、そのリュックは、初期装備と成ります!流石に、布の服だけでは、心許ないですからね。ナイフ、火打石、食器、ランタンが、入っております。それと、少ないですが、三百ルーベ……。ルーベとは、この世界の、通貨単位です。成人男性で、一日、百ルーベ位、使うと思って良いでしょう。何かの足しにして下さい』

「済まない……。流石に、布の服一枚で、街に入ろうとしても、怪しまれると、思っていた処だ」

『ええ、私も、そう思っていた処です。ただ、魔王の侵攻により、エネッサの街に逃げて来る者も、多く存在します。恐らく、簡単に、入る事が、出来る筈です』

「分かった……。取り敢えず、エネッサの街に、向かうとしよう」

 やれやれ……。

 やる事が、山角だ。

 先ずは、拠点を、どうにかしなくてはな……。



 エネッサの街……。

「止まれ!」

 はい、お約束……。

 門番の登場か……。

 俺は素直に、門番の前で止まる。

 荷物を預け、

「不審なモノは、持っていないな。君、名前は?」

「ジャショウ……」

「親は?」

「残念だけど、俺に、親はいない」

「そうか……。済まぬ事を聞いた」

「いや、気にして無いから、大丈夫だ」

 中々、優しい、門番の様だ。

 俺に、親が居ないと聞き、親身に成って、話しかけてくる。

「この街に何故?」

「ん?ああ、冒険者に成りたくて……。ここら辺の敵は、弱いと聞いて……」

「そうか……。ジャショウ君、残念だけど、正式な冒険者に成るには、年齢が足りない。冒険者は、十四歳から成れる」

「参ったな……」

「けど、大丈夫だ!冒険者の、荷物持ちや雑用なら、下働きと言う形で、君の歳でも、何とか成れる筈さ」

「本当ですか?ありがとうございます」

 雑用か……。

 まあ、派手に暴れるより、丁度良いかも知れない。

 俺は、門番にお礼を言い、街の中へと、入ろうとする。

 しかし、

「ジャショウ君!冒険者と言っても、ピンからキリだ。下働きの子を、囮に使ったり。余り、口では言えない事をする者もいる!まあ、何かの縁だ。丁度、知り合いで、下働きの子を、探しているパーティーが居る。君さえ良かったら、紹介状を書こう」

「は、はあ……。良いのですか?」

 何か、話が上手すぎるぞ?

 何かあるのか?

 流石に、警戒する。

 しかし、

『ジャショウ殿!その者の言は、嘘偽り有りません!その者には、今のジャショウ君と、同じ位の弟が、居た様だ』

『居た様だ?』

『うむ。魔物に、殺されておるよ……。ジャショウ殿に、面影を重ねたのだろう』

『そう言う事か……』

 俺は、門番の方を向く。

 善意であるなら、多分、問題無い筈……。

 まあ、何かあったら、潰せば良いか。

 俺は、ニッコリ笑い、

「ありがとうございます!お姉ちゃん♪」

 言っていて恥ずかしいが、門番は、真っ赤な顔をする。

 門番が、男だなんて、誰が言った?

 重装備で、身を固めているが、紛れも無い女性だ。

 門番は、真っ赤な顔に成り、

「う、うむ!お姉ちゃんに、任せておきなさい!」

「はい♪」

 まあ、なんにせよ、どうにかなるだろう。

 さてと……。

 この世界の冒険者は、どれ程のモノかなぁ……?


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