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天翔雲流  作者: NOISE
神々の願い
1317/1794

覚悟……!

 またか……。

 天上が騒がしい……。

 俺は、般若の形相に変わる。

 天界を穢すモノ……!

 アスメアが、執務室に、駆け込んで来る。

「夫様!」

「また、異界の神々か……!」

 俺は、エローラの肩を叩き、

「少し、天界に行って来る」

「ジャショウ君……。余り無茶は、しないで下さよ?」

「大丈夫、直ぐに、帰って来るさ」

 さてと……。

 今度は、どんな神が、登場するかな?

 俺は、静かに怒り、天へと駆けた……。



 天上界……。

 おかしい。

 妙に、静かだ……。

 ナビ子達の気配は感じるが、戦いは、行なわれていない様だ。

 それでも、強大な気配を感じる……!

 ナビ子達が、戦わずして、屈したと言うのか?

 いや……。

 何にしても、この目で、確かめる必要が有るか。

 倒せぬ敵では無い。

 この世界を、喰らおうと言うなら、逆に、喰らってやるだけだ!

 あの、アルーとか言う神と同じで、糞野郎ならな……!

 潰してやる、潰してやる!潰してやる!!

 俺は、狂気で、目を爛爛と輝かせ、凶悪な笑みを浮かべる。

 アスメアは、うっとり笑い、

「夫様……。ああ、何と美しい……!その様な目をされては、わらわの体が疼きますぞ」

 俺は、アスメアを、優しく撫で、

「さあ、狩りを始めるとしようか……!」

 ふふふ……。

 俺を、何処まで、強くしてくれる?

 俺は、まだ見ぬ獲物に、舌なめずりをする。

 あははは!

 全てを、喰らい尽くしてやろうぞ……!



 神々の集う場所……。

 そこには、アステラとエステカと対峙し、三人の老人が、恭しく、頭を下げている。

 何者か?

 いや……。

 内なる霊力は、何と膨大か。

 異神か……。

 俺の到着に気付き、老神は、優しく微笑む。

「待っておりましたぞ……」

 俺を、待っていた?

 アステラ達の、複雑そうな顔。

 俺は、老神を、軽く睨む。

 嫌な匂いはしない。

 老神は、深々と頭を下げ、

「ジャショウ殿!どうか、我が世界を、お救い下さい」

「世界を救う……?」

「そう、救って頂きたいのです。我等に、侵略の意思はございません。人の身で、神の力を持つ貴方様に、救って頂きたいのです」

「自分達の世界なら、自分達で、救えば良いだろう?」

「出来ぬのです……」

 老神は、自嘲気味に笑う。

 闘うつもりか?

 老神達が、膨大な力を、解放する。

 力は、光に変わり、一つの星を映し出す。

 随分と、穢れちまってるな……。

 これが、この者達の世界か……?

 老神は、儚げに笑い、

「人は、我等を忘れました……。今は、第二世代の神が、人々を、導いております。しかし……!」

「穢れの浄化を、怠った……」

 老神は、静かに頷く。

 老神の陰に隠れていた、若い神が、姿を現す。

「我等の咎です……」

「貴方は?」

「私は、第二世代の神の長、ネガレカ。穢れの意味を、理解しておりませんでした。全ては、我等の咎です……」

 そう言い、ネガレカは、涙を流す。

 老神達は、跪き、

「成熟した世界では、神は、直接、干渉する事が出来ません……。人の身でありながら、神の力を持つ、ジャショウ殿のお力が、必要なのです!」

「それが、理と……?」

「我等の世界の、ルールです」

「穢れが溜まり過ぎ、我等を凌駕する、魔王と呼ばれる悪神が、誕生しました」

「あらゆる手を打ち、魔王に対抗する術を、人々に与えました……。しかし!」

「人の手には余るモノ……。万が一、人の手で、魔王を倒せなかった時は……!」

「俺に、その魔王を、倒せと言うのだな?」

「ええ……。どうか、お力を、お貸しください」

「ふむ……。しかし、早計では無いか?貴方達の話からして、また人は、魔王と対峙して無いのでは無いか?」

「人が、魔王に敗れた後では、遅すぎるのです……。ジャショウ殿には、我等の世界に、転移して頂きます。しばらくの間は、我等の世界に、馴染んでもらう必要が有ります。故に、今で無くては、成らないのです」

「成程な……」

 俺はあくまで、保険と言う事か。

 俺は、アステラ達の方を向く。

「母さん達は、どう思っているんだ?俺達に、メリットは無い。俺は、強い奴と闘えれば、別にどうでも良いが……。この干渉は、理に反するであろう?」

 俺の言葉に、エステカは、静かに頷く。

「問題無いわ、ジャショウちゃん……。極めてグレーだけど、侵略では無く、共闘。それに……」

「勿論我等は、ただでとは言っておりませぬ」

 老神達が、前に出る。

 覚悟を秘めた顔。

 老神達は、膨大な力を秘める、神玉を、俺に手渡す。

 前回、ツクヨが、俺達に見せたモノか?

 そして、老神は、跪き、

「我等を、ジャショウ殿の、お力にして頂きたい!」

 ソールイータ……!

 この者達は、贄に成ると、言っているのであろうか……?



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