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天翔雲流  作者: NOISE
その翼を広げて……。
1305/1794

カーラ王朝の英知

「馬鹿犬!深き眠りのダンジョン、攻略するわよ!」

 元気の良い、王女様だ……。

 俺達は、アイカを先陣に、深い眠りのダンジョンを、攻略する事とする。

 アイカ達のレベルが、大幅に、上がっているな。

 危なげなく、五階層まで、到達する。

 ゴブリンから始まり、オーガも倒す。

 他の生徒達は、呆然としている。

 アルテイシアは、満足げに頷く。

 俺は、アイカの肩を叩き、

「ここから先は、俺が、先頭を歩く。アイカ達は、他の生徒と一緒に、良く見ておくように」

「は、はい!」

 このダンジョンも、九階層……。

 面白い事に、カーラ王朝の、遺跡を取り込んでいる。

 イヴが、得意げに、ナビゲートしてくれる。

 ドラゴンや、アークデーモンを倒し、最下層に……。

 まあ、楽勝だな……。

 あらかた、宝箱も漁り尽くし、最層部へ。

 異質の気を感じる。

 ダンジョンマスターか……。

 俺は、アルテイシアや、アイカ達を下がらせ、静かに、気を開放してゆく。

 一匹の、三頭の龍!

 咆哮を上げ、俺に、襲い掛かる!

 今更ですやん。

 俺は、二つの首を斬り落とし、最後の頭を、拳で叩き潰す!

 沈黙……!

 今更ですやん。

 魔晶石を拾い、アルテイシアに投げる。

「ほらよ!これで、深き眠りのダンジョン、完全攻略だ♪」

「相変わらず、化け物ねぇ……」

 酷い、言い草だ……。

 しかし、アルテイシアは、首を傾げ、

「ちょっと待って!後ろに、まだ、扉がある様よ?」

「扉……?」

 俺は、アルテイシアの、指さす方を、確認する。

 カーラ王朝の文字……。

 そして、確かに、扉らしきものがある。

 文字の方は、

『神に捧げし、カーラ王朝の英知……』

 何の事だ?

 危険なモノなら、破壊するべきか?

 俺は静かに、扉に触れる。

 ダンジョン自体が、光り輝き、カーラ王朝の文明が、命を取り戻す。

 何がある?

 扉が開き、

『あ、あの……。良く、お出で下さいました。我が主よ……』

 気の弱そうな、少女の声……。

 何か、デジャヴュを感じる。

 そこには、一本の剣が、宙に浮いていた。

 貴族の一人が、俺を押しのけ、

「どけ!何であるか分からぬが、これぞ正に、神の聖剣!アルテイシア様が、持つに相応しい!」

 剣を取ろうと、部屋へと入る。

 しかし、

『い、いや!主様以外は、ここに来ないで下さい!!』

 部屋中から、無数の光線が放たれ、

「ぐふっ!?」

 貴族の体に、無数の風穴が開き、血反吐を吐いて倒れる。

 何やってんだ?コイツ……。

 アルテイシアは、動じず、

「馬鹿犬!その子は、貴方をご所望よ!取って来なさい!」

「へいへい……」

 俺は、警戒しながら、部屋へと入る。

 少女の、嬉しそうな声が、響き渡る。

『主様♪主様♪』

 その声を聞き、イヴが、

『あなた、リース?』

『その声は、お母様ですか!?』

 イヴに、リースと呼ばれる声が、同調する。

 俺は、首を傾げ、

「イヴ、知っているのか?」

『はい。戦闘型AIリース。神に捧げられし、戦闘特化AIです』

「戦闘型AI?」

 部屋が光り輝き、俺の中に、膨大な知識が流れ込んで来る。

 カーラ王朝の、武器知識……。

 ふむ、銃と言うモノも、有ったのか……。

 少女は、無邪気に笑い、

『さあ、私を、手に取って下さい♪』

 俺は、静かに、剣を握る。

 剣は、光り輝き、俺の内に。

『戦闘型AIリース♪インストールされました♪これより、戦闘指揮の、援護を行いたいと思います!』

 俺の頭の中で、イヴとリースが、談笑を始める。

 俺は、苦笑し、

「リースは、何が出来るんだい?」

 まあ、何も出来なくて、良いんだが……。

 リースは、得意げに、

『私の知識を基に、主様の魔力を使い、あらゆる武器を、作成できます♪主様の愛刀の力を使えば、神具も作成可能です♪』

「ああ、黒鋼か……」

 まあ、簡単な話、俺の頭の中が、賑やかに成ったと言う訳か。

 俺は苦笑し、部屋から出る。

 アルテイシアは、首を傾げ、

「剣は、どうなったのよ?」

「んあ?あれ自体には、意味が無いらしい。イヴと一緒で、俺のサポートをしてくれる、人工知能らしい。リース!取り敢えず、挨拶してくれ」

『は、はい!私は、戦闘型AIリース!あらゆる武器の知識を持ち、戦闘を熟知しています。それらを基に、敵の、行動パターンを、瞬時に計算します♪その……。戦闘の事なら、お任せください♪』

「だ、そうだ」

「ふ~ん……。リースちゃんは、物と言うより、人格と言う事ね?それじゃあ、献上しろとは、言う事が出来ないわね♪私は、アルテイシア。シアって呼んで良いわ♪よろしくね?リースちゃん♪」

『畏まりました。シア様……。インプットさせてもらいます』

 やれやれ……。

 また、しばらく、賑やかに成りそうだ……。


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