やはり、害と成ったか……。
スターリーに戻れば、また、一騒動。
例の少年達の、助命嘆願書を握りしめて、貴族の者が、屋敷に押しかけている。
頭痛がする……。
俺は、嘆願書を破り捨てて、件の貴族達の、エネス地区への出入りを、固く禁じた。
そして、そのまま王城へ。
「ヨセフ国王陛下!あの貴族共を、どうにかしてくれ!!」
「ジャショウ君……。私も、参ってしまったよ……。ここまで、無能だとは……。村ぐらいは、創れると思ったんだけどなぁ。金勘定も、出来ないらしい」
「さっさと、爵位を返上させ、他の者に、役目を与えるべきだ!」
「そうしたいんだけどねぇ……。息子の不手際、自分達で、何とかすると、言って聞かないんだ」
「そんな事を言って、俺の処に、助命嘆願書を寄こして来たぞ!」
本当、話に成らない。
馬鹿正直に、街など創る必要は無い!
ただ、難民達の、住処を作れば良いのだ。
村で十分。
そこで、金を稼がせ、スターリーの街が、吸収する。
一から言わなければ、分からないのだろうか?
父親は意地になり、母親は、息子達を、助けようとしている。
スターリーの街を巻き込んで、騒いでいるのだ。
ヨセフは、ため息をつき、
「少し早いが、彼等の一族にも、スターリーから、出て行ってもらうよ。アルブレッド達も、激昂しているしね。これ以上、留まらせては、スターリーの害悪に成る」
まったくもって、話に成らない。
件の貴族達は、ヨセフの採決に、絶望する事と成る。
しばらくの間は、この騒ぎも、続きそうだな……。
ローマに言って、身辺の注意を促そう。
余りに、見苦しいなら、やはり、潰す事にしようか……?




