無骨いおっさんに歓迎されても……。
馬車は、六時きっかりに到着した。
一分の狂いも無い。
一介の冒険者が乗るには、豪華絢爛で、なんか恥ずかしい……。
八人乗りの馬車。
二人乗れる椅子が対面にあり、それが、二列に並んでいる。
細長い馬車だ。
車輪が六つ有り、軸は、鋼鉄で出来ている。
馬は、四頭立て。全部、白馬だ……。
正直、目立ちすぎる……。
朝も早いのに、人目を惹く。
俺とサクヤは、一緒に座り、シャルは、俺の肩に乗る。
対面には、キリカとギルムが座った。
後ろの席は、結局、がら空きだ。
まあ、荷物とか乗るから良いけど……。
ホロ付きの馬車でも良いのに……。
しかし、何て乗り心地が良いんだ!
揺れが、感じられない。
その上、速いと来れば、言う事も無い。
サクヤとシャルは、流れる景色を楽しんでいる。
俺は、軽く眠るとしよう。
シャル達の声が、心地よい子守歌の様に聞こえる。
キリカも、緊張が緩んできた様だ。
楽しそうに、談笑している。
王様か……。
期待する事も無いが、何と言うか、珍獣を見るような気持でいる。
何か、失礼か……。
俺は、転寝をしながら、王城への道のりを、快適に過ごすのだった……。
後々、この絆が、腐れ縁と成る事も知らずに……。
「開門!!」
けたたましい、ラッパの音と、凛とした声が響き渡る。
俺は、浅い眠りから覚め、辺りを見渡す。
悠然とそびえ立つ、城。
まるで、山の様だ……。
その周りを、城壁が囲い、更にその周りを、水堀が囲っている。
跳ね橋が降り、馬車がゆっくりと、城門をくぐる。
城郭までの道のりは、円を描き、所々に広場がある。
敵が来た際、迎え撃つためか……。
そこからに二十分、馬車を走らせ、居館が見えてくる。
規模からして、相当家臣が居る様だ。
居館を過ぎて、愈々お待ちかねの、本丸御殿……。
こっちでは、主館、宮殿と言うのか……。
それに、天守閣……。キープと言うらしい。
まあ、そんな処で、謁見は行われないか。
謁見が行われるのは、大広間……。
城郭に面した……。
俺、あんまそう言うの、詳しく無いんだよなぁ……。
まあ、偉い人についていけば良いか……。
そうこうしている内に、馬車はゆっくりと速度を緩める。
正面には、大きな噴水が……。
どれもこれも、でっけえなぁ……。
何だ?巨人の国にでも来たのだろうか?
城の扉なんて、ドラゴンが入れそうだ。
まあ、ドラゴン……。
まだ、見た事なんだが……。
扉を挟んで、白銀の鎧を身に纏った騎士が、ずらっと……。
此処は、どうせなら、可愛いメイドだろう普通……。
無骨いおっさんに歓迎されても……。
馬車を下り、騎士達の間を通る。
キリカに関しては、過呼吸を起こしかけている……。
シャルに、背中を摩られ、ゆっくりと進む。
ギルムは……。
「どうせだったら、女子に迎えらえられたかったわい!」
……。
俺は、大きく頷く。
ギルムと、意見が合ったのは、これが初めてか?
俺は、ギルムと顔を見合わせ、深いため息をついた。




