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天翔雲流  作者: NOISE
スターリーの街角で
105/1838

何時も通りが一番!

「ジャショウ!準備出来たん?」

 現在、朝の四時……。

 昨晩は、あの後、質問攻めにあい、魔獣・ギルバードの毛皮を披露した。

 一同は、感嘆を零し、又、苦笑する。

 しかし、

『まあ、ジャショウだし……』

 との事……。

 俺だったら、何だと言うんだ!

 実に失礼!

 ガルガト呉服店のおっさんは、親父が知ったら、悔しがると……。

 まあ、昨日の事は置いといて、何にしても、今は、身支度が先決。

 とは言っても、着る服は一着……。

 ガルガトの爺さんが作ってくれた服。

 何処に行ったって、決して恥ずかしくは無い代物だ!

 俺が、鏡の前に立つと、サクヤとシャルが部屋に入って来た。

「ジャショウ。寝ぐせは無い?」

 シャルは、甲斐甲斐しく、俺の身なりを正してくれる。

「シャル姉とサクヤは?」

「シャル姉が、髪を結ってくれたんよ♪」

 そう言うと、サクヤはその場で、くるりと回る。

 おお!後ろ手に結んだ髪が、フワリと浮かんで、可愛らしい……。

 しかも、真っ赤なリボン……。

 黒髪に映えて、何とも可愛らしい。

 ここが重要だ!

 サクヤは可愛い!

 良いね?

 俺が、サクヤに見惚れている間に、シャルが、髪の毛をセットしてくれた。

 ん~~~。

 あまり、ガチガチにセットはしたくない。

「シャル姉。もうちょっと、自然で」

「ん~。そうね……。なんか、これじゃあ、ジャショウぽく無いわね」

 まるで、七五三だ……。

 俺は、髪をあえて崩し、整え直す。

 うん!ばっちり!

 二人を連れて、一階に降りる。

 って、おいおい!

 キリカが部屋の前で、体育座りしてんだけど……。

 ……。

 寝巻のままだし……。

「キリカ!」

「ひ、ひゃい!」

 飛び上がるキリカ……。

 涙目になったキリカを前に、俺達は苦笑する。

「あ、あの……。王様に謁見するって……。私、何を着ていけば良いか分からなくって……」

 シャルが、見かねて、手を差し伸べる。

「一緒に考えましょう?」

「う、うん……」

「アタイも、考えるんよ!」

 二人に連れられ、キリカは自室に向かう。

「ジャショウは、朝食の支度をして下さい」

「ジャショウ。ご飯作っとくんよ」

「あ、あの。料理は出来ているので、盛り付けだけでも……」

 俺は、三人を見送る……。

 何か、最近、俺の扱いって……。



 カウンターに向かうとしようか。

 キリカは、料理が出来ていると言ったが。

 良い匂いがする。

 キッチンに向かい、辺りを見回す。

 ベーコンエッグに、サラダ……。焼き立てのパンが置いてあった。

 うん。美味しそうだ……。

 けど、ご飯が食べたい……。

 米に味噌汁、濃い緑茶が飲みたい……。

 まあ、無い物ねだりは止そう……。

 食材に感謝!

 お皿に取り分ける。

「おう!そろそろ飯か?」

 ギルムが、顔を出してきた。

「居るんだったら、手伝えよ!」

「年寄りを、働かせるな!」

 爺は、平常運転……。

 服装も、変わらない。

「爺さん。その服で行くのか?」

「なに……。特別な事じゃ無いからのう」

 王様に会うのが、特別じゃ無いだと?

 この爺さん、本当、何者だ?

 俺は、苦笑交じりで、聞き流す。

 この爺さんの事は……。まあ、どうでも良いや……。

 そうこうしている内に、三人が戻って来る。

 キリカは……。

 いつも通りの服装だ……。

「あまり、めかし込んでも、仕方ありませんから……」

「皆、何時も通りが一番なんよ♪」

 まったくもって、その通りだ!

 この子達、何を着ても可愛いし……。

 俺も結局、いつも通りだし……。

 爺さんも……。

 正直、あんまり、緊張しないんだよねぇ。

 何と言うか、どうでも良い……。

 適当に、話合わせて、退散しよう。

 うん!それが良い!

 どうせ、偉い人の気まぐれだろうし……。


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