第1章 Ⅰ
三ヵ月前
From ~カルマ~
ここは中部訓練所4年の階。
ぼくことカルマがなぜここにいるかという政府に隠していた能力が3日前バレたことから始まる。
正直ぼくは憂鬱だった。
強制的に訓練所にへ行く手続きまでされ、今までの生活は壊れた。
まぁ、手続きのおかげで確実な寝床などは手に入ったわけだが。
そんなことを思いながら突っ立っていると担任らしき30代ぐらいのおっさんが顔を出した。
「カルマ、入って自己紹介しろ」
だいたい身長170弱、綺麗な茶髪、制服をすこし気崩し、整った頬をすこしあげて笑顔をつくる。
ぼくはできるだけ悪い印象を与えないように笑顔で教室に入る。
「ぼくはカルマです!みなさん、よろしくお願いします!」
現在
いつも通りぼくは訓練所までの道を歩いていた。
制服を気崩し、カッターシャツにだほだほのカーディガンを着ている。
訓練所の前の橋のところを通りかかった頃だった。
おそらくもうすぐいつものやつが来るだろう。
そう思った瞬間、背中にドンッ!という衝撃を受けた。
バランスは少し崩したものの、倒れはしなかった。
ぼくはいつものように後ろを向き言った。
「ポンポニャック、痛いよ」
ポンポニャック、4年B組の最強能力者である。
腰ぐらいまである金髪、目はおおきく開かれ、ぼくと同じような格好をしていた。
能天気であるのが彼女の特徴である。
ぼくはこの訓練所にきて1番はじめに仲良くなったのがこのポンポニャックだ。
「あははは♪痛くないってわたししってるもーん♪」
あくびれることなく無邪気に笑う。
その隣にこっそりといた影をみつけた。
「…あ、か、カルマさん、お、おはようごさいます…」
こっそりとした影はリリィである。
ポンポニャックと同じぐらいの長さの茶髪にきちっと着たカーディガン、ちゃんと膝下まで隠しているスカート、なにもかもがきちっとしている。
いつも自信なさげにこっそりとした言葉が似合うやつでもある。
また鼻が聴く。
同じく4年B組のポンポニャックに次ぐ実力者である。
戦闘時ですらほほえんでいるため、一部では「微笑む悪魔」などの異名をもっている。
ポンポニャックとリリィは仲が良くいつも一緒にいる。
「二人ともおはよう!」
ぼくはポンポニャックのように…とまではいかないが笑ってあいさつをする。
そんな3人に近づく影があった。
「おはよう、いい朝だ、そんな朝からおまえはナンパか?カルマ」
「おっはよーだョー!清々しいネー!」
クールに、そしてさりげなくぼくを軽蔑するのがハヤト。
だれよりも笑っていて少し子供っぽいような雰囲気を醸し出すのはリクト。
クールが取り柄のハヤトは訓練所の中でも珍しい回復系の能力をもっている。
リクトはカッターシャツにネクタイ、すこし緩めたズボンをはいている。
ハヤトはこの学園で唯一認められている白衣をきていい生徒である。
一方リクトは4年D組の最強能力者。
そして、第3階梯能力の保持者である。
あと2人ほどいつもいるはずなのだか…
「ねぇねぇ、ノエルとティグリィは?」
どこか腐っている(性格面において)長髪の少女とやる気のないイケメン天才能力者を頭に思い浮かべる。
「…ティグリィの匂いが…します」
リリィがぼそりとそういった。
おそらくもう登校したのだろう。
その場にいた全員がそう思った瞬間-
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐!」
ほんわかという雰囲気がぴったりな少年が悲鳴をあげながら走り去って行った。
それを追いかけるかのように綺麗な唇からは涎が垂れ、手で何かを揉むかのような手付きをしながら長髪の少女は放送事故もありえるような危ない顔で追いかけていた。
それを見たぼくらは度肝を抜かれ、固まっていた。
「ぼくらはなにも見なかったヨネ?」
「わたし達はなにも見なかったよ♪」
考えることすら放棄したぼくらは何も見なかったことにした。
とりあえず、いまの逃げていた少年がティグリィであり、追いかけていた少女はノエルである。
二人とも僕と同じ4年A組であり、ぼくに次ぐ上位能力者である。
ポンポニャック、リクト、リリィ、ハヤト、ティグリィ、ノエル、そしてぼくこと、カルマ。
この7人はぼくがこの訓練所にはいってからのいつめんである。
しかし、そんなぼくらに反感を持つものも多くなかった。
これから日常になります
ぜひ読んでくださったみなさま感想をくださいおねがいします(*・ω・)*_ _)ペコリ