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似た者同士

作者: 伊月そら

「大嫌いよ、あなたなんて」


私の放った言葉であるというのに、心中、酷く泣きたくなった。











私と澪は、仲が悪かった。

いつから、なんて覚えていないし、昔がどうであれ、今はお互い嫌い合ってるのだから関係無いと思う。

きっと、澪もそう思っている。

とにかく、私は澪が大嫌いだった。









********


「姉さん」


にこにこと張り付けた笑みの澪が話しかけてきた。

相変わらずの“作った”顔だ。

気持ちが悪い。

酷く吐き気がして、ゾワリと立った鳥肌を擦った。


「……一卵性の双子はよく似るって、あれ、本当にそうですよね。」


意地悪く笑う澪は、そう思いたくなんてないけれど、確かに私によく似ていた。

一卵性の双子。

私たちは、そう言われる存在同士だった。


「よく似ているとは思いますよ、ボク達。

 ……似たくなんか無かったですけど。」


私の方がだ、と言ってやりたい。

嫌だな。……でも、ああ。


……やっぱり私達は似ている。


「……そうだ、姉さん、もうすぐ母さん達の命日ですよ。」


そう言って楽しみですね、なんて笑う澪は、とてもじゃないけれど死んだ人間を悼む気持ちは無いようだ。

しかも、母親の命日なのに。

まるで何か、祭りでも始まるような無邪気さを見せる。


澪はそうだ。いつもそうだ。

母親の死なんてどうでも良さげだ。


…………私は、辛いのに。





「お線香、あったかな? あ、あと、ライターも。

 ……参りましたねぇ、まだ一年も経ってないのに。どこに仕舞ったかなぁ。」


ごそごそと棚の奥を荒らして線香とライターを探す澪は、まだ笑顔のままだ。

ここまで来ると、見事としか言いようがない。


「…………澪。」

「…何ですか?」


澪の作った握り拳は震えていて、茶色の棚の上に小さな水溜まりが出来ていて。


やっぱり。

分かっていたけど。

やっぱり、この子は、澪は。







「大嫌いよ、あなたなんて」






心の底から思っているのに。

私の手は震えていないのに。

水溜まりだって出来ていないのに。



どうしてだろう。
















僕もですよ、と笑う弟に、私は酷く泣きたくなった。

初投稿がよく分からないものになってしまい、何だか申し訳ないです…。


いつも考えてることとか、何でもないこととか。

そんなものばかりになると思います。


これからよろしくお願いします。

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