はじまり
昔昔のお話です。
ある大きな大陸には、小さな小さな国々と
大きな大きな魔界、天界が存在していました。
小さな小さな国々の人々は魔界をとても恐れて、
天界にとてもあこがれていました。
でも…ある日。
大きな大きな台風が大陸に舞い降りて、
小さな小さな国々の人々を吹き飛ばしてしまいました。
小さな小さな国々の人々は吹き飛ばされ
多くは天界へ、
残された数名は魔界へ飛ばされました。
魔界へ飛ばされた人々は大慌て。
だってとっても恐れていた魔界へ来てしまったのですから。
魔界の人々はみんな怖い顔で人々はみんな
怖がります。
しかし…
ある女の子だけは違いました。
魔王さまのもとへ駆け寄りお辞儀をしながら言ったのです。
「どうか、私たちを助けてください。」
女の子の言葉に魔王さまは言いました。
「私が怖くないのですか?」
その言葉に女の子は言いました。
「怖くありませんよ。だってあなたは優しい
瞳をしています。あなたが優しくなかったのなら、私は今ここにいないでしょう。」
そして女の子はほほえみながらを顔を上げました。
魔王様はその優しい彼女の言葉に涙し、可愛い笑顔に微笑み返しました。
それから魔王様は人々に救いの手を差し伸べ
国に返してあげました。
守りのまじないも一緒に。
すべてが元に戻ったとき、みんなはもう
魔王様が怖くありませんでした。
だって魔王様の大きな優しさをもうみんな
知ったのですから。
魔王様は最後にみんなにいいました。
「どうか皆さん幸せに。」
そして少女に
「私とともにいてくれませんか?」
少女は言いました。
昔と変わらぬ微笑みで
「はい。魔王様。あなたとともに。」
これはそんな2人の恋の物語。