襲撃
虎は昼間は寝ていることが多いが、夜になると、縄張りの確認に行く。今日もいつも通り虎は縄張りの確認に出掛けていった。
茜はすることもなく、ただ寝ているだけだった。そんなとき、外で音がした。
「虎?」
虎だと思って茜が声を出すと、別の声が返ってきた。
「よう、べっぴんさん。俺と一緒に来てもらおうか」
何?猫さらい?
「い、嫌よ」
茜は虚勢を張ってみた。しかしその男たちは事も無げに言った。
「虎の人質になってもらうぜ」
その言葉とともに数匹の猫が入ってきた。
「嫌!」
「可愛いねえ」
「虎の手つきじゃなかったらなあ」
「嫌だってば!」
茜は精一杯反抗したが、多勢に無勢。無理やり外に引っ張り出された。とその時、虎が帰ってきた。
「てめえら、何してやがる!」
「虎!助けて!」
そこからは虎と男たちの戦いになった。虎一匹に対して、相手は三匹。分が悪いと思ったが、虎は強かった。三匹に囲まれても臆することなく噛みついていった。
「ギャン」
「虎!覚えてろよ!」
「二度と来るんじゃねえ!」
茜は震えていた。そんな茜に虎はいたわるように声をかけた。
「大丈夫か?一人にしてすまねえな」
「……ううん、虎が悪いわけじゃないもの。あれが敵対してる猫?」
「まあな。どこからか情報が漏れたらしいな。ああいう時は反撃しないと駄目だぞ」
「反撃って?」
「猫パンチに決まってるだろ」
「……どうやるの?」
「仕方ねえなあ。明日は特訓だ!」
何の!?