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姉御
また夜の寄り合いが開かれた。そこでは茜の英雄ぶりが語られることになった。皆情報収集しているので、茜のことも耳に入ってきていたのだ。皆口々に茜を褒め称える。
「さすがは虎が選んだだけはある。姉御!」
「そうだ!姉御!」
「これからは姉御だな」
ええ~。姉御!?なんだか嫌~。褒めてくれるのは嬉しいけど……。
茜は複雑な気持ちで聞いていた。それからいつも通りに情報交換をして、猫の寄り合いは終了となった。
「すっかり姉御だな」
虎がからかうように言ってきた。
「冗談はやめてよ。姉御だなんて……。それに私は人間に戻るのよ」
「茜、戻れなかったら、本当に俺の女にならねえか?」
「虎……。気持ちは嬉しいけど、今は考えられない……」
人間に戻れないなんて……。
茜は『ばあさん』に聞いた話を思い出していた。満月の夜……。明日のはずだ。でもどうやって彼に会う?茜は途方に暮れていた。




