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プロローグ
わたしは近藤 茜。二十六歳の会社員。会社の仕事も順調だし、優しい彼氏もいる。友達もたくさんいる方だと思う。
いつも通りの夜だった。一人暮らしの家に帰り、鞄をキッチンの椅子に置く。そして茜はソファにドサッと腰を下ろした。そんな時だった。なんとなく外を見たくなり、カーテンを開けた。すると綺麗な満月の夜だった。
夜空を見上げるのも気持ちいいわね。
そんなことを考えていたら、茜の目線が下がっていく。
え?え?何?
茜は気がつくと自分の周囲に先程まで着ていた服が落ちていた。
えっ?どういうこと?
茜は歩きだそうとして気がついた。自分が手をついていることに。ますます混乱する茜。
そ、そうだ!鏡!
歩きづらい。どうして二本足で歩けないの?
茜は四つん這いになったように鏡の前まで行った。そこに映っていたのは、真っ白な猫だった。