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おとこの娘!

作者:

初投稿になります!生暖かく見てもらえると幸いです。

今日も一日平凡でなんて事ない日常だった。


なんて言ってみるけど、そんなに変化のある毎日だったら疲れるよねー


あ、僕は姫野陸、高校一年生のごく平凡な男子生徒である。


姫なんて文字が入っているが、持ち前の平凡さや影の薄さからいじられることなく平和に過ごしている。平凡バンザイ!


だけど平凡にも飽きる時ってあるよね、世の中の人は現状に満足してる人なんていないんじゃないかな?居たとしてもごく一部だと思うんだよ。


だから僕は友達や知り合い、というか誰にも言えない趣味があるんだ。


_____





学校帰りの学生や、仕事終わりのサラリーマン達と電車にもまれながらいつものように帰路につく。


「ただいまー」

ガチャッと自宅の玄関扉をあけて中に入るが、返事はない。僕は一人っ子だし、更に両親は共働きで、学校から帰ると夜の19時頃までは基本的に一人なのだ。


いそいそと自室に入って念の為鍵を閉めたらここからがお楽しみタイム。

クローゼットを開き、奥から段ボール箱を引っ張りだした。


「さてさて、今日もいっちょやりますか!」

張り切って段ボール箱の中身を取り出すとおおよそ男子には似つかわしくない物が飛び出してきた。


箱の中から出てきたのは色とりどりの可愛らしい洋服、そのどれもが女物で更にはロリータという種類のものである。

丁寧に一着一着ベッドに並べてから鼻歌を歌い出しそうな感じで選んでいるのは紛れもなく平凡としか形容できないような男子高校生という…

傍から見たらすごくシュールな光景だ。


そんなことはお構いなしに僕はその中から一着を手に取ると躊躇いもなくそれを着ていく。そして鏡の前に移動して鍵付きの箱の中から化粧品を取り出すと、慣れた手つきで自分の顔に化粧を施していき、茶色くふんわりとカールされたセミロングのウイッグを被って鏡の前で1回転する。


「うん。今日も完璧!我ながら美少女になったなぁ~」



鏡に写っているのはさっきまでの平凡な男子高校生ではなく、それは可憐という言葉がぴったりな、ふわふわの服を着た女の子であった。


そう、僕の趣味は女装なのである。



なぜ僕が女装をするようになったかというと、中学生の時に受験の勉強によるストレスで、現実逃避をしたかった僕は某動画サイトを見て回っていた時に一つの動画に出会ったことからはじまる。

その動画は普通の男の人が化粧をしていって、最終的には見違えるような美女になっていくさまを最初から撮影したものであった。


それを見た時に僕は女装に気分がすごく高揚するのを感じ、化粧というものに興味を持ってしまい、何を思ったかこっそりとお母さんの化粧品を使ってメイクをしてみたのだ。


もちろん初めてのメイクということで、ケバいやら違和感やらあったが、チークをしてマスカラを塗った僕は、動画を見た時の様な高揚感が体を満たしていた。


そこからはちょこっとずつ化粧品を集めて、練習を積んでいくうちに完璧な女の子の顔を作れるようになった僕は、通販でウイッグやら、洋服を集めていって、半年後くらいには完全な女装をするようになっていた。


そしてそれに飽きたらず僕は今、変身後には某音声合成ソフトの楽曲などの、踊ってみた動画を撮っては、動画サイトにアップしているのだ。




「えーと、お、『かわいい!』って!やりー!『俺の嫁』とかww大分多いなwwごめんよ、男だから嫁にはなれんのよww」


今僕は最新の動画をアップしてから、過去の動画のコメントを見ているところだ。


性別を伏せて本名の姫野から一文字とって『姫』という名前で活動していたら、見た目の可愛さとハンネから僕のことを女と勘違いした世の中の男どもが上記のようなコメントをしてくるのだ。

まぁ、僕も僕のこの女装は神掛かり的に可愛いので、わからんでもない。


そして一通りコメントを読んでから満足すると、両親が帰ってくる前に着替えて、化粧を落として証拠隠滅するが僕の日常なのである。



_____



そんな日々を過ごしていた時のことだ。


ある日学校に行って教室に入ってから自分の席にすわってると、窓側の集団の一人が興奮したように声を上げた。


「おいおまえら!この動画見てみろよ!」


大きな声を出した彼は手に持ったスマホを、一緒にいる仲間に見せていた。その時はさして気にしていなかったので、僕は普通に読書をしていたのだが、ある単語が耳に入った時におれは本を落としそうになるほどびっくりしたのだ。



「最近俺がはまってる動画があるんだけどな、その中で踊ってみた動画を出してる“姫”ってのがいて、これがすげーかわいいの!で、今見てたらな、最新の動画がアップされてたんだ!」



興奮したようにいう彼の言葉には確かに僕のハンネが出ていた。

恐る恐るそちらを見ると、チラリと見えた彼のスマホには確かに僕の女装姿がうつっていたのだ。


「おいおい、お前ってホント踊ってみたっての好きだよなーww」


「なんか最近ずっと携帯見てるなーとは思っとったけど、なに、動画とか見てんの?ww」


彼の周りはそんな反応を返すが、そんなこと言わないで一回見てみるといいよ。と心の中で思ってると


「いーから!一度見てみろよ!」


と、僕の思いと同じことを発した彼は、スマホを仲間に見せて再生ボタンを押していた。

あいにくこちらには音までは聞こえてこないけど、動画再生が始まってからの仲間の反応は伺うことができた


「何この子!ちょーかわいーじゃん!」


「うわーロリータっての?違和感ねえww 」


「踊りもうまいなー滑らかってか?なんかキレもあるし」


「てかまじ可愛くねー?」


と、べた褒めである。あ、ダメだわニヤニヤしそう。

急いで机に伏せたので、誰にも怪しまれずに済んだが、口元はだらしなく緩んでしまっている。


「な!かわいいだろ?最近有名になってきたんどけど、ツイッターとかしてないし、動画だけだから素性とかわかんねえけど、マジおれの好みドンピシャなんだよ!」


そんなことを言う彼の言葉にもう僕は暫く顔が挙げられないほどニヤニヤしてしまっている。

彼の言うように、ここ最近だんだんと動画の閲覧数とコメントが増えてきており、日刊ランキングなどでは50位以内に入っている動画もあったりするのだ。


「あー、姫かわいいなぁ!まじ俺の彼女にしたい。」


「まぁ、わからんでもないけどさ、ありえんだろーよ。諦めろww」


「どんまいww」


「くそー」


そんなやりとりが続いていたが、教師が教室に入ってきたことでそこでお開きとなり、しばらくして僕もなんとか表情筋を抑えることができるようになったので、前を向く。


なんか有名になってきたなーとは思ってたけどまさかクラスメイトに閲覧者いるとは思わなかったなぁー、まぁ有名なサイトだし、ランクに上がったりしてるからありか。


なんか、やっぱり褒められるとうれしいからこの趣味はやめられないなぁー


そんなことを思い、これからも続けようと決意して、いつも通りの日常を過ごすのであった。







閲覧して下さり、更には最後まで読んでくださった方!ありがとうございます!

初めての小説で、なんの考えもなしに書き始めたので本当にやおいな小説になってしまいましたが、ここまで読んでくださる方が居たらものすごく嬉しい限りです。

読むのは好きなのですがなかなか書けずwwすごく難しいですねー勉強しないとなぁー


とりあえず人に言えない趣味のある男の子を書いて見たかったのでわたし的には満足です(笑)

ではまたの機会があれば

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