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スイッチ

閲覧ありがとうございます。

多数のお気に入りのチェック感謝致します。

上着を掛けられた刹那、スイッチが入ったかのように、突然急激な睡魔に襲われた。



あたしは、まるで深い海の底に引き摺(ず)り込まれるように吸い込まれていった。


『ここは何処?』



起き上がろうとしたが、金縛りにあったようにピクリとも動かない。



人の気配を感じた。



重たいまぶたをゆっくりと開く。



黒目がひっくり返って半分崩れた顔が、目の前に浮かんでいる。



『ギャァ』



悲鳴を上げたけど、声がでない

(これは夢なの……)



ポタリと自分の顔に、蛆(うじ)が……



(イャー)


半分腐乱した顔面に、モゾモゾ蠢(うごめ)く蛆(うじ)



ポタリと落ちてくる。



いつの間にか、周りが沼地に変化している。



『冷たい』



ベンチの上まで水が浸透してきた。



ボコボコと水面が泡立ち、淡い月の光に浮かび上がる。



腐乱した手首。


ズルリと皮がむける。


しゅるしゅると黒髪が胸のあたりに伸びてくる。



突然、金縛りが解ける。



あたしは、両手で顔面の蛆を払いのけた。



その刹那、両手に髪の毛が絡みついた。



『イャー』



自分の悲鳴が、鼓膜を直撃した。



「おぃ、どうしたんだい!


悲鳴を上げて?

俺は上着をかけてやっただけだ」



小田が呆れたような顔を隠しもせず、あたしを見下ろしていた。



あたしは小田から視線を外し、公園を見回した。



『フゥ』



と息を吐き出す。


「大丈夫かい?」


さっきまでの、嘔吐を含んだ不快感は消失した。


しかし今度は、不安感が押し寄せてきた」



「大丈夫よ」



あたしは、そう言いながら小田に視線を合わせた。



小田の肩越しに、腐乱した手首が見えた。



『あっ!』


あたしは、心の中で悲鳴をあげながら闇の中へ落ちていった。



突然、目が覚めた。



あたしはベンチの上に寝かされていた。


(もしかしたら……これも夢かしら?)


あたしは身構えながら、辺りをゆっくりと見回した。


(……大丈夫そうね。

それにしても心臓に悪いわ)



「小田さん、ちょっと聞いて良いですか?」



「おお! なんだい?」



「妹は何か事件に巻き込まれたのですか?」



恐る恐る、あたしは尋ねた。



「携帯を紛失したので、紛失届けを出しに来ただけの事だよ」


「それだけの関係で、一緒に飲むのですか?」


「実は彼女が帰り際に、セクキャバの名刺をくれた。


それで今日は非番で手持ちぶさただったから、その店に行ったんだ。


今はその帰り」


頭を掻きながら、小田が呟いた。



「で、小田さんは名刺貰ったら、せく…」



「セクパブだょ」



「そんな店に行くのですか?」



「普通は行かねえよ」


小田が戸惑ったように行った。



「……どういう事ですか?」



あたしは、彼の普通と言う言葉に反応して尋ねた。



閲覧ありがとうございます。

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