心闇〜友人〜
もの凄く暗い小説になってしまったので、読んでネガティブにならない人に、読むことをお勧めします。
私には友達という友達はいない。
人は皆お節介。
私のことなんてほっといてくれればいいのに。
一人だからって可哀想。
なんて誰が決めたの?
無理やり入れてくれなくてもいいのに。
目上の人にはひたすらごまをする、
同級生には気を使い、
下級生にはうそをつく。
実際、
本当のことを話せるのもその中のほんの一握りだけ。
その人にだってどれだけ負担が掛かっているかはわからない・・・。
一体、
誰に言えばいい?
誰にも言えないから、自分の中だけに閉まった。
誰にも悟られることのないように。
だからこうなったのかな・・・?
わたし・・・・・・
この話を少年院で友人から聞いた時、正直ビックリした。何故なら友人は人付き合いが良く、話しを振れば愛想良く応えてくれるから。いつもニコニコしていた。授業中も、分からないところは親切に教えてくれた。
完璧な人だと思った。
いつもみんなの憧れで、頼れる存在。恵まれている人だと思う。
けれど、よく考えると友人には不可解な点がいくつもあった。
独り言が多かった。
手首には必ず包帯が巻かれていた。(入学当初から)
気のせいだったかもしれないが、友人の目に時々殺意がこもっていた。
そう、一見明るく見える人でも心に闇はあるのかもしれない。
深い闇が・・・
もしかしたら、自分にもあるのかもしれない。
今は友人のように表に出てないだけで、実際はあるのかもしれない。
それが爆発したら友人のように、人を傷つけこうなってしまうのかも。
そう、ひとを一人殺してしまうのかも・・・。
そんなことを考えながら私はこの施設を出た。