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夢時計の冒険

作者: ベル

僕が子どものとき、おじいちゃんから鍵のかかった箱をもらった。


その中には古いけど綺麗な時計が入っていた。


時計は動かない。


「この時計動かないけどどうして?」


僕はおじいちゃんにそう尋ねる。


「壊れてるんだ」


おじいちゃんはそれ以上は話さなかった。


それから何年も経ち僕は大人になった。


月日が流れていく中で僕はおじいちゃんがくれた時計の事をすっかり忘れていた。


年末になり実家の大掃除をするというので手伝いに来た。


僕は自分が使っていた部屋の物を整理する。


整理しているとすっかり忘れていたおじいちゃんからもらった箱を見つける。


「なんだっけ?」


箱を見ても思い出せなかった僕は箱を開けてみた。


「あぁ、懐かしいな」


中に入っていた時計を見ておじいちゃんがくれた事を思い出す。


時計を見て懐かしい気持ちになった僕は久しぶりにおじいちゃんに会いたくなった。


大掃除の日から数日経って僕はおじいちゃんに会いに行った。


僕はおじいちゃんにどうして時計をくれたのか聞いてみた。


「それはな…」


おじいちゃんは話始めた。


「その時計には面白い能力があるんだ」


「面白い能力?」


「ボタンが付いてるだろ?」


「うん」


「そのボタンを押してから寝ると不思議な夢や面白い夢が見られるんだよ」


「何それ…?」


「不思議な古道具屋で店主に進められてな…子どものお前なら喜んでくれるかと思って買ってきたんだが説明するのを忘れてな…」


「今日寝る時にでも試してみなさい」


「うん」


僕はおじいちゃんの話を信じていなかった。


だって時計のボタンを押して寝たら面白い夢が見られるなんてそんな話ありえない。


でもその夜、僕は興味本位で試してみた。


「ようこそ夢の世界へ」


夢の中で執事みたいな見た目の青年がそう言う


「ここは?」


「ここはあなたの夢の中です」


おじいちゃんの話は本当だったって事なのか…?


「ここではあなたに番号を選んで頂きます」


「番号?」


「はい。選んだ番号の夢が見られます。」


「夢の内容は見てみないとどんな内容かわかりません」


「番号は1~1000までです」


「どうなさいますか?」


突然の事で頭が追いつかない。


でもせっかくなので試してみる事にした。


「1番でお願いします」


「かしこまりました。あちらから1番の扉にお入りください。良い夢を」


そう言われて1番の扉に入る。


魔女の格好をした女性がいた。


「ようこそ魔法の世界へ」


「魔法?」


「ここは魔法が使える夢が見られる世界です」


「なるほど…」


女性が説明しながら魔法の杖らしき物を渡してくる。


「イメージしながらこの杖を振ると魔法が使えます」


「どんな魔法でも使えるんですか?」


「もちろん。夢ですから。ただしあなたがイメージ出来れば」


そう言われて僕は空を飛ぶ魔法を試してみた。


魔法は成功し空を飛ぶ事が出来た。


「おじいちゃんの話本当だったな」


おじいちゃんの話が本当だったとわかった僕はそれから毎日時計のボタンを押してから寝るようになった。


おじいちゃんが言った通り不思議な夢や面白い夢を見れるようになった。


ある日は正義のヒーローになって怪人と戦う夢。


ある日は探偵になって事件を解決する夢など。


本当に毎日色んな夢が見られて楽しい。


「毎日来ますね」


「面白いので」


「今日は何番にしますか?」


「30番で」


「かしこまりました。それでは良い夢を」


今日はどんな夢が見られるのだろうか?


そんな事を思いながら今日も扉を開けて夢の世界へ入っていく。


終わり



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