第7話:最強の称号
聖血祭にて、見事優勝し最強の称号を獲得したナナ。それからというもの、ナナの元にはモンスターの討伐依頼がしきりに届くようになった。ある日ナナはローズ帝国から依頼を受け…
~聖血祭から約一ヶ月後~
「ドナート様、少し相談があります。お時間頂けますでしょうか」
「相談?珍しいな、とりあえずそこに座って」
「失礼します」
「それで、相談ってなんだ?」
「実は、ローズ帝国軍の本部から、とある依頼がきてまして…」
「ローズ帝国軍?なんでそんなところから依頼が?」
「それがですね…」
~約3か月前~
「なんで俺たちがこんな危険な任務をしなくちゃいけねぇんだよ」
「仕方がないだろ、軍隊長の命令だ、断れないに決まってるだろ」
「しっかしよー!こんな暗い森に来て何すんだよ?」
「お前なぁ…話聞いてなかったのか?最近、この森で行方不明者が相次いでるらしい、だからローズ帝国軍隊員である俺たちが調査をしに来てるんだよ」
「ふぁぁ…ねみぃな、んまぁつまりはその行方不明になってる原因を突き止めればいいんだろ?とっとと任務終わらせて、酒場で飲むぞー!」
カサカサッ…
「…今そこから音がしなかったか?」
「ん?いやなんも聞こえてねーよ」
「ん?誰だ!そこにいるのは!」
「うわあぁぁぁぁぁあ!!…くっ、来るなぁ!」
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「それから、調査に行った隊員たちは消息をたったそうです。」
「なるほどなぁ…それで、ナナが依頼を」
「はい、この依頼を引き受けてもよろしいでしょうか」
「ああ、いいぞ、気をつけてな」
「ありがとうございます。では、行ってまいります」
~約2日後~
[ローズ帝国本部]
「ヴェールからやって参りました、ナナと申します。よろしくお願い致します」
「君が噂のナナだね、いいよ、中に入って」
「失礼します」
「ああ、自己紹介がまだだったね。俺は帝国軍隊長のエル、よろしく。ところで、君をここに呼んだのは他でもない、魔獣を討伐して欲しいんだ」
「魔獣、?」
「うん、近くの森に森に魔獣がいることが分かったんだ。その名も…黒獣」
「…黒獣!?」
「恐らく、お宅のヴェールにその魔獣をしらない人は居ないだろうね。勘のいい君ならもう既に気づいているかもしれないが…」
「…魔王が、復活した…」
「そう、まぁ確実にそうかと言われるとYESとは言い難いが、我々の予想だと復活したに違いない」
「嘘…」
「信じられないかもしれないが、とりあえず今は黒獣の討伐を手伝って欲しい、君の手がないと討伐はとてもじゃないけど厳しくてね。最強の称号を手に入れたんだろ?なら君に頼むしかないと思ってね」
「…分かりました、手助けはします、ですが勘違いしないでください、最強だと言うのは肩書きなだけで実際は私を卓越した力を持つ存在だって居ます。それは魔王やその手先だって例外じゃありません、過信しすぎないように頼みます」
「うん、分かったよ。それじゃあ早速行こっか」
「はい」
これがナナの長い旅の始まりとなるのだった…