第2話:前夜祭
~翌日~
私は、聖血祭の参加申し込みのため、ドナート様の友人であるガストさんの店へ向かっていた。
「こんにちは」
「よく来たな!ドナートに許可は貰ったか?」
「はい、許可は得ました」
「よし、そしたら参加申し込みをするぞ、えっと…この紙にサインをしてくれ」
「わかりました、ありがとうございます」
「おっと言い忘れてた、ちゃんと『参加するにあたっての注意書き』を確認するんだぞ」
きちんと注意書きを読んで、紙にサインをした。
「これでよろしいですか?」
「うむ、それじゃあこの紙は俺が直接聖血祭の運営に渡しておく」
「ありがとうございます、ではこれで失礼します」
「おうよ!またな!」
~聖血祭前日~
「流石に人が多すぎる…」
今日は聖血祭前日で前夜祭が催されており、街には屋台が沢山並んでいる。そのせいもあってか、人混みがてきて歩きずらい。
「何か美味しいものが食べたいな」
私は好きなわたあめを売っている屋台を探すことにした。しばらく探していると、ドナート様を見つけた。
「あ、ドナート様」
「おお、ナナか」
「ここで何をしているのですか?」
「ただ暇だったから、暇つぶしにと思ってブラブラ歩いていたよ。ナナはここで何をしているんだ?」
「私は…わたあめが食べたくて、わたあめ屋さんを探していました」
「わたあめ屋か…それならさっきあっちの方で見たぞ」
「本当ですか!早く行きたいです!」
「今日は俺が奢ろうか」
「ありがとうございます!!」
人混みに揉まれながらわたあめ屋さんを目指した。そしてついに見つけた。
「あそこがわたあめ屋だ」
「ありがとうございますドナート様!」
「俺もナナと同じものを頼もう」
そしてわたあめを買い、わたあめを食べながら明日の聖血祭のことについて話した。
「ナナ、明日の聖血祭で行われる世界最強決定戦には、世界各国から手練の者がやってくる。世界を救うのに貢献した勇者や、名高き騎士、とにかく強い連中がたくさん来る。」
「とにかく全力を出して戦えば良いのですね」
「そうだ、相手が誰であろうと頑張るんだぞ。この戦いで勝つつもりは無いが、今の自分の実力が試したい、ただそれだけだ」
「それは私も同じです、でも賞金も手に入るそうですよ、これで一生お金には困りません」
「それもそうだな」
そして当日を迎えることになった