閑話 Part2
次は近いうちに更新します!!
にやぁ………
「ひんっ!?(怖)ゲホッッ!!!ヒンッ!!!(殺)」
もちゃもちゃと食べていた白金は、ビクッとして、勢いよくむせていた。一瞬目が怖かったけど、何故だろうか。
「ありゃりゃ、そんな一気に食べるからむせるんだよ。ほら、お水でも飲んで」
「……ぶるるるる?(消えた…?)」
何故か不思議そうな顔をして、水を飲んでいる白金。敵でも見つけたのだろうか。良く分からない。近いうちにどうにかしないとだめだな…。
「さて…。お腹も膨れたし、向こうに行ってみようか。なんか面白い事になっているようだしね。白金ちょっと乗せてね。」
馬装は、何一つしていないが、そんな暴れる事も無いだろうから大丈夫だろう。引き手の部分を手網に変えて、無口のままにする。
「よっ…と」
ひらりと、背にまたがるとかなり様になっている。
「あの白い馬も、乗ってる子もええなぁ…ぐへへへへ」
と呟いた者が居たらしいが、その後どうなったかは知らない。少し離れた所で人が落ちていると騒ぎになっていたみたいだ。顎が誰かに殴られたかのように赤くなって白目をむいていたそうな。
「白金…?」
「………(ぷいっ)」
そんなこんなで、騒ぎの近くまでやってきた。実はもうだいたい把握している。大きな声で騒いでいたため聞きたくなくても耳に入ってくるからだ。
「…えっと。おばあさん?その辺にしておいて、こんな人達なんてほかっとかない?」
「だぁれだい。馬の上からえっらそうーに。あたしゃあね。こいつらに罰をあたえていたんだよ!あろうことか、あたしの物をぬすもうとしてきたんだよ!」
「グヘッ」
こちらに来る際に、地面に伸びている男の腹を当たり前のように超えてくる。
「うん。知ってるよ。だけれど、その男達の仲間が大量に近ずいて来てるんだよね。だから」
「だから…?あたしゃあ、にげるのが大嫌いなんだよ!この道124年。1度たりとも逃げたことがない人生を送ってきたのさ!ここでくたばるならそれでもいいさあ!」
元気なおばあさんだ。もしかしてかなりの手足れなのかもしれない。
「でも、ちょっと心配だなぁ。なんかすっごい人数が向かって来ているように思うんだけど。」
「ぶるるるる…(心配)」
「おいおいおいおいおい。なんで、俺んとこのやつが地面とキスをしてるんだあ?ばばあ一人にやられたんだって?なっさけねぇ。そんな恥ずかしいやつはどうでもいいが、俺達まで笑い物にされるのは我慢出来ねぇからよ。くたばれやっ!ばばあ!!!」
「…そのばばあ一人に子分100人ぐらい連れてきて。恥ずかしくないのかな…?」
うんうんと、白金も首を振っている。
「危なくなったら、助けに入ろうか。かなり自信があるみたいだしね。見た限り、弱そうだし」
ボスと思わしき人物がピクっとしたかと思うと
「ああ?」
「わっこっち向いた。聞こえないと思ったんだけど」
勘が鋭いようだ。そこそこやるのかもしれない。
「ひっひっひっひっ…。なんだい。私にビビったのかい?そんなぞろぞろと引き連れて。あたしゃあ、気分が悪いんだ。ちゃっちゃと同じようにしてやるわ。みっともなくハゲ散らかして…そんな歳までそんな事やってるなんて、叩き直してやるわい。」
「う、うるせええぇぇ!!!言っとくがな俺はまだ20代だあああ!!!ちぃっ!!!てめえらいくぞ!」
ぉぉおおお!と子分が向かっていくが、全く連携が取れていない。
「ひっひっひっ」
「うわっ。あのおばあさん凄いね。人がポンポン飛んでくよ。」
野次馬をしていた、八百屋のおっちゃんみたいな人がにこにこと話しかけてきた。
「あんた、あのスーパーばあちゃんの事知らねえのか!むっかし、冒険者としてかなり知られてたんだぜ!この街の誇りだな。あのばあちゃんは。すぐ終わらせてくれるだろうぜ。だから、街のみんなも見てるだけなんだよ。心配しなくて大丈夫さ。」
「うん。そうみたいだね。もう終わりそうだし」
そう、横目で見ていると本当に強いと分かる。
「うわぁ。なんだこのゴリラばばあ!!!」
「ひっひっひっひっ。なんだって?」
ニコニコしながら男達をその拳と、足だけでぶっ飛ばしていく。
「ひっひっひっひっ……!?(ゴキリ)………」
「ん?おばあさん?」
おばあさんの顔は一瞬で青くなり、さっきまでの笑顔が綺麗に無くなっている。
「こここ、腰が…」
「はははは!チャンスだ!行けっ!!!…?もう誰も居ねぇじゃねえか。なっさけねぇな。俺が行くか。」
「その情けないのは、どちらかな?」
たんっと、白金から飛び降りて一瞬で男の前に立つ。
「な、な、なんだよ。てめぇ!!おい!てめぇら!おいい!返事しろよ!ああ?……いねえんだった」
「ちくちょー!!!!どいつもこいつもうぜえんだよ!
!!」
「噛んだ…(笑)」
「ヒンッ…(笑)」
「「あいつ噛んだぜ(笑)」」
顔を真っ赤にしたかと思うと、ボスと思われる男はぶんっと大きい剣をおばあさんに振り下ろした。
その剣をパシッと、止める者がいた。
「もう、危ないじゃん。」
止めたのは黒金である。そのままみぞおちに、軽く蹴りを入れる。男はポップコーンのように飛んでいき、手下の山に仲間入りをしたようだ。
「おばあさん。大丈夫?病院連れていこうか?」
「ひっひっ…あたしゃあ、もう歳かね。けれど、病院はいかないよ。家に薬があったはずだからね。それに店も放ったらかしさね。良かったら、そっちに連れてってくれんかね。」
「分かった。白金に乗ってもいいけど、腰が痛いならやめといた方がいいね。だから、背中に乗って?」
「すまんねぇ。」
迷惑な男達の、後片付けは商店街の人達がやってくれるそうだ。
おばあさんの案内に沿って街の中を進んでいくと、一軒の立派な図書館の前まで来た。
「ここだよ。ありがとうね。ほら中に入りな。誰も居ないだろうからねぇ。」
次の話…Part3…?
次の話でスーパーおばあちゃん回は終わります。
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