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57. おいちゃん家


 確か…大きな竜が屋根の上に乗ってるお店?

 ギルドから右に曲がってそのまま真っ直ぐいけば分かるって言ってたよね


 「白金ー。こっちで合ってると思う?」


 「………(?)」


 「だよね。分かんないよね」


 ギルドを後にした一頭と一人は、ビルのオススメのお店へと向かう。


 「……あれだね。絶対」


 だいぶ歩いた所に、真っ赤な竜が一つの建物の上に飾ってあった。まるで…本物のように…


 「流石にあれ、生きてないよね?」


 そうお店に近づいていく。


 パチリ


 「…。」


 パチパチ


 「白金…。なんか瞬きしているように見えるんだけど、私の目おかしくなったのかな。試しに殴ってくれない?」


 ドゴンッッッ!!!


 蹄が頭にクリティカルヒットしたようだ。


 「痛いっ」


 ペロリ…


 「生きてるね。あの赤い子」


 店の前につくと、眠っていた赤い竜は視線をこちらへ向ける。重そうな顔をのそりとこちらへ近づけてくる。


 「白金っ?どうしたの?」


 パカパカパカパカと近づいていったかと思いきや


 首を大きくしならせて、鼻先を相手の鼻先へと押し当てる。耳は竜に全集中をしている。また、その眼差しははっきりと赤い竜を見ていた。


 「ふんすぅーふんすぅうううう…(喧嘩腰)」


 大きく息を吐き出して、相手の様子を伺う。


 けれども赤い竜は、面白そうに白金を眺め、横目で黒金をみる。


 さて、この喧嘩はどちらが勝ったのか…


 どちらが上になったのか…



 先に動いたのは白金である。


 「ぶひひひぃぃぃぃぃんっっっっ!!!ひぃん!(怒)」


 前足をドンッっと地面に打ち付けて、叫ぶ


 赤い竜はそれに驚き顔を仰け反らせてしまった


 …勝負がついたようだ



 クルッとこちらを向いて帰ってくる。


 速歩気味に、パッカパッカと途中で何度か尻っぱねをしていたようだが。


 「………っ!!!(ドヤ)」


 とても嬉しかったようである。


 ちらりと赤い竜の方を横目でみてみる。



 大きな瞳にはうっすらと光るものがあり、少しばかり可哀想になってくる。


 「…あちゃあー」


 撫でて撫でて!とスリスリ…ゴリゴリしてくるのを優しく撫でていると


 「ガッハッハッハッハ…ひぃーおかしいぜぇ。おいおい、紅坊負けたんか。あの白い馬に。情けねぇなぁ」


 「サルダ爺?…え?え?」


 「んにぁ?おいちゃんは、ヨルダってんだ。ヨルダ爺でいいぜぇ?ちなみにサルダはおいちゃんの可愛い弟だ。なんでぇ?おまいさん、おいちゃんの客か?」


 紅坊と呼ばれた赤い竜は、長いしっぽでヨルダを攻撃するが、ひょいっと見てもないのにかわされていた。


 「…ごめんなさい。人違いだったみたい。あと…多分ここのお客かな。ここのお店の人で合ってる?」


 「そうだせぇ?おいちゃんはここのボスだな!」


 ボス…


 「ビルに紹介されてこのお店にやって来たんだけど、大丈夫?」


 「おう。まかせな。ここで話すのもなんだから、一旦中に入りな。ビル坊の紹介なら茶ぐらい出すぜぇ」


 「ありがとう。…じゃあ白金は、この、紅坊と仲良く待っててね!仲良くね!」


 その言葉は予想していなかったのか


 「…っ!?(驚)」


 「じゃあね!」


 「ぶるるるるる…(睨)」

 「ぐるるるるる…(睨)」


 残された紅坊と白金はお互いに睨み合っていた。



 「おじゃましまーす」


 店内の中へ入ると、何やらごちゃごちゃとしていた。サルダ爺のお店とは真逆で、もはや何が何だか分からない。かろうじて、鱗らしきものが積み上がっているのが確認できる。…この店はなんの店なのか。


 「待たせたな。実はもう先に聞いてんだ。ビル坊から、客が来るからよろしくってな。んで?なんだったか?おいちゃん、記憶力は猿なみだから覚えれねぇのよ」


 サルダ爺によく似たドワーフは頭をペチッと叩く


 「ズボンを治して欲しいのだけど。…これね」


 「なんでぇこれ。初めてみる素材でできてやがんな。…元に戻すのはちと厳しいぜぇ」


 「…なら」


 「ガッハッハッハッハ!なら、よりいい物にするだけだぜぇ!おいちゃん、そういうのが得意だからな!」


 「へっ?」


 「分かって持ってきたんだろ?なら、話は早ぇ。おいちゃんの店は修繕をメインにやってるからな!大船に乗ったつもりで任せとけ!」


 「ごはっゲホゲホ」


 バンバンと黒金の背中を叩く。


 「お?おまいさんで二人目だせぇ?初めて叩かれて転げ落ちねぇやつがよ!こりゃたまげた!ガハハハ!」


 嬉しそうに、黒金の背中を叩き続けるヨルダ。


 「…ちょっ…まっ…ストップ!ストップ!」


 ガシッとその太い腕を掴むと、また嬉しそうに


 「なるほどなぁ。おいちゃん、おまいさんのこと気に入ったぜぇ!名前を教えてくれ!多分覚えとくからな!多分な!表の馬も教えてくれ!」


 「ゲホッ…。私は黒金だよ。相棒は白金。」


 「おっし!覚えたぜぇ!じゃあ、ズボンはこっちでやっとくぜぇ。あと、上着もだしな。おいちゃんはここのボスだからな!」


 「…関係ある?」


 「気にすんな!ズボンだけ弄るのは気持ちわりぃんだ。黒ベースでやれば良いんだろ?金はビル坊からもう受け取ってるからな。ほれほれ、渡しな」


 「…ビルに少しづつ返してこ…。」


 「…しっかし、この素材本当に不思議だな?温度調整…布の強化…特定の人物の底上げ…これ、ミスリルより効果高ぇな。なんでぇ?魔力も弾くぜぇ…」


 ブツブツと一人の世界に入ってしまったようだ。


 「そんなにすごいの…」


 ぽつりと言葉をこぼすと


 「めちゃくちゃすげぇよ!これ!!!正直、おいちゃんでもこれ程のもんには出会ったことがねぇ!そもそも布にこんなにも効果をつけるのはまず無理ってもんよ。できて、一つだな。これよりも弱いがな。」


 「おわっ!…な、なるほど」


 「黒金ちゃんよぉ?なんでこんな綺麗にきれてやがんだ?わざと切ったってのか?…そもそもこれ切れるのか?」


 「…えーと。わざとでは無いよ。着てたら、切れられたー!なんちゃって…」


 スッと目線を外すと


 「おいおい。そんなわけねぇだろうがよ。足もちゃんと生えてんじゃねぇか」


 「…生やした」


 ダラダラと、別に悪いことをした訳では無いのに何故か冷や汗が止まらない。何故だ。


 「はぁ!?理解出来ねぇ。おいちゃんが知らないだけで足って簡単に生えるもんなんか?まあ、いいぜ。それよりも早くこれを強化してぇ!じゃあな!!!」


 「行っちゃった…」


 「あ!店の看板しまっといてくれ!」


 「あっうん」


 OPENとなっていた看板を店内の机へおき、外へ出る


 「白金!待たせたね!紅坊も白金の面倒を見てくれてありがとね!」


 「…ん?」



次の話…もしかしたら閑話…?


ブクマと高評価お願いします


色々と、話し方に違和感があるかもしれませんが、それを含めておいちゃんです。


馬の喧嘩はしらべてみてね!可愛いよ!

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