4. 産まれた (挿絵)
ついに馬と会えました。暴走気味です。後悔はしてません。
さわさわさわ。むしょむしょむしょ…。もしょもしょ…………
………ガブリッ。
「………っっ!!」
いつの間に寝ていたのだろう。清々しい朝を迎えた気がする。いや、迎えれなかったようだ…。
急に痛みがはしる。なんだと言うのか。昨日、水を飲んだ所からは一歩も動いてない。…訂正。水に落ちそうで怖かったから、木のそばにいどうした。
少女は飛び起きる。もはや、本能だった。襲われたのか。
思いだす。…魔物。そんな物がいた気がする。まさか…!
武器になる物を咄嗟に探そうとする。
と目があったのはつぶらな瞳。
胸の下ぐらいの大きさの一頭の子馬だった。
「ぅう…可愛い。」
無理だ。気持ちを抑えきれない。会いたかった…と心の穴を馬で満たすように。馬への気持ちが際限なく溢れていく。
先程の柔らかい感触…痛みは、この子だろう。その小さな鼻で器用にもしょもしょしていたのだろう。
なんで気付けなかった。悔やまれる…。可愛い…。
我を忘れて、馬への気持ちを溢れさせた。
「ひぃんっ」
あぁ鳴き声も可愛い…っ!舌っ足らずでちょっと下手くそな声が…天国かも……。死んだのかな…。
ゲシッ
なんと助走をつけて前蹴りしてきた。子馬は足が長い。そんな足をめいいっぱい広げて…飛びかかる可愛い…。
痛い…。
「あっ…。待って」
走りさろうと言うのだ。速くて追いつけない。力も出ない。
私をどこかへつれていってくれるのだろうか。
「な…に…!?」