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53. 屋敷の骨


 …白金…白金…白金…白金…白金



 どこ…?



 どこ…?



 「…迷った」


 うねうねと曲がりくねった道を無我夢中で走っていたが、それが悪い方向に向かったようで、現在地が全くもって分からない。


 …向こうって言ってたからなぁ。東って…?月が出ている方のどっちだっけ?あれ?あれれれ?知らないぞ?


 「もし…今白金に何かあったら…くぅっ」


 ヒュオオオオオオ


 「ひっ…?風?…向こうかな向こうだった気がする。…もう、屋根の上でいっか」


 シュタタタタタタタタタッッッッッ


 暗闇の中を月の光を頼りに進む。時折、力加減を間違えて、屋根を破壊してしまった気がしたけど、流石にそれは気がしただけだとおもう。思いたい


 「力加減を間違えたのはアルバが余計な力をくれたせい。…きっとそう」


 誰も聞いてはいないと言うのにブツブツと独り言をこぼす。


 「…あれだ。龍爺のやつと似てる。」


 黒木森で龍爺が楽園へと繋げていたあの時空。それと少し似ているようだ。…しかし精度は何倍もおちる。それ故、黒金でも簡単に見つける事が出来た。


 「…白金待っててね」


 そのままその違和感のある家の窓にぶち破って侵入をこころみる。


 ゴスっっっっドスンッ


 「…!?!?」


 …窓に見えてたけど。あれ?…壁になってる


 「酷い」


 地味に足が痛い。涙を目の端に浮かべている


 「…玄関から入ろ」


 黒金は正面突破をすることにした!!


 この空間に入るまでは、小さな一軒家と言った様子であった。いかにもボロい普通の人ならすぐに通り過ぎて、記憶にも残らないような家だった。


 だが、今はどうだろうか。豪邸とも言っていいようなとんでもなく広い家。所々に金などの装飾が施されており、いかにもと言った様子の家だ。


 ガチャ…ギイイイイイイイイィィィ


 金で作られた取っ手をもち、妙に大きい扉を開く。


 スシャッ


 「わお。矢が飛んできた」


 完全に黒金の脳天を狙った攻撃だった。黒金は、そんなのは見えているので指でそっとつまんで捨てた。


 「…白金!早く会いたいのに。屋敷壊していいかな?跡形もなく…こっぱみじんに」


 次々と飛んできていた攻撃がぴたっと止まる。何故か冷や汗をかいているようなそんな錯覚に陥るようだった。


 「…ふっ。じゃあこっぱみじんにされたくなければ白金居る場所まで案内して…」


 ガシャンガシャンガシャン


 なんだろ。あれは知らないなあ。流石に足だけ鎧をまとったガイコツは知らないな。…もしや、演出の為にわざわざはいてる?


 ギクゥ


 図星だったようだ。


 変なガイコツは、黒金を案内するかのようにひらりと体の位置を変えた。


 「ねぇ…なんで足の脱いだの?…気になるんだけど」


 コツコツコツコツ…骨だけに


 薄暗い廊下を骨と黒金は歩く。


 するとひとつの部屋の前で止まり、扉の横につき、綺麗なお辞儀を一つ披露してみせる。


 黒金はその部屋に入ろうと足を進めた瞬間







 …下に落ちた



 落ちながら


 「…油断した」


 ………トンっ


 上着を広げパラシュートのように膨らませ、風を起こして落下速度を落とす。


 地面に足を付いた瞬間に景色が変わる。


 真っ暗な場所から、何故なのか太陽の光がさしこみ、ジャングルが形成されている。中央には、湖が存在し、マングローブなどの植物も生き生きとしている。



 …丁度そこで喉を潤している、白と金色の馬が見える




 おかしいなぁ…?なんで背後にあんなにも食べ物が見えるんだろう。…気のせいだよねぇ?


 水を飲み終えた馬は、すぐさま積まれたリンゴをかじり、柑橘類を口に含み器用に皮だけをペッと吐き出す。かと思えばぶどうを食べ、ちゃっかりと人参まで齧っている。お口直しにと言わんばかりにイタリアンライグラスなどの青草をもしゃあと頬張る



 「…白金?」


 ビクッ


 口は休めず、目もこちらを見ていないが、耳だけは正直ものだったようである。耳だけをこちらへ向けている。


 「…随分と楽しんでるね?」


 「ヒンッ」


 慌ててバナナをくわえて黒金の元へやってくる。


 ペッ


 手に渡すわけでもなく、黒金の足元にバナナを投げ捨てる。


 「………………」


 「……………ぶるん」


 「…まぁ今は、いーまーは、何も言わないよ。早くここを出よう?でかたわかる?…分からないならやっぱりこの空間ごとこっぱみじんに…」


 骨が、筋肉もないのに綺麗なフォームで遠くの方から走ってきた。は、はやい。


 「…方カタカタカタ」


 顎を揺らすとまたもや先頭を歩き出す


 「…また変な事したら今度こそやるからね?」


 「カタカタカタカタカタカタカタッッッッッ」


 めちゃくちゃはやい


 そのまま、ジャングルを越えて白く、何も無い道へ出る。曲がりもせず、景色もない。音も無く、何も無いといった空間を骨と一頭と一人は歩いていく



 出口に着いたようである。


 今度からこんな事にならないように…もっと…











次の話…帰宅…?


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