30. ラック合流(笑)
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「…うわあああ!すみませんすみませんすっグヘェッッ」
白金に蹴り飛ばされたラックは、時に石に頭を打ち付け、時に茂みへ突っ込み、時に魔物にぶつかっていた。
物凄い勢いで飛ばされて行く…
止まらない、止まらない…
普通ならちょっとそこまでの距離で止まるはずだが、ちょっと一日出掛けてくるわと言う様な距離を飛ばされていく。
白金が少し風魔法で細工をしていた様だ。
目にも止まらぬ速さで森を抜けようとしていた。
そこまでして白金はラックを黒金から引き離したかったのか。謎である。
「あぁぁぁああああああああぁぁぁっ」
「げふぅっっ」
止まった様だ。
もう既に意識を飛ばしかけて居たラックは、この衝撃で完全に意識を失っていた。
「ギ、ギルド長!大丈夫ですか!」
「て、敵襲!?」
おろろろロロと内容物を吐き出しながら、何とかこたえる。
「がはっ…大丈夫だ。…………それよりも、ラック…!ラック…!一体何があったんだ!返事をしろ!」
胸ぐらを掴み、頬を打つ。打つ。打つ。打つ。…
「ギルド長!!それ以上やりますと、ラックが死んでしまいます!」
「なんだ、マッチョ!俺に指図するのか!」
「と、とんでもございません。で、ですが…」
「…ん?そうだな。取り敢えず、この傷はまさかあれにやられたのか?………酷いな。…てめぇら!!!剣を抜けぇ!近くにやつがいるかもしれんぞおおお!!おいマッチョ!ラックを治療してやれ!」
「はっはい!」
一行が警戒するのも仕方がない。何故ならラックは、至る所に傷ができ、服がさけ、骨折をし、オマケにでかいたんこぶが頭から生えているのである。それが意識を失っていて正しい情報をもたらす事が出来ないとなると、完全に敵にやられた傷。と言う判断になるだろう。
最上級ポーションが必要だったのは黒金ではなく自分だったようである。
マッチョは来るであろう戦いに備えてあった最上級ポーションを容赦なくラックの口に突っ込む。
…勿論むせる。
後日その請求が来て頭を抱えるのはまた別のお話。
最上級ポーションを飲んだとはいえ、気絶をしていてまだ起きる気配はない。
…一行は士気を高め、森へ行く道を進んで行った。
ちなみにラックはマッチョにお姫様抱っこをされている
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次の話…鉢合わせ…?
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いやぁラックが可哀想。とことんついてない男だね