15. 龍爺の提案 (挿絵)
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「さて…黒金よ。提案があるのだが」
龍爺は、綺麗な目を細める。にやっと開いた口から覗くのは鋭い牙。龍なのにここまで感情を出せるのか…。とてつもなく悪い笑みを浮かべていた…
「取り敢えず聞くだけなら…?」
笑顔がスっと引いた。
「いや、なに。そんな難しい仕事は言わぬ。黒金よ。そう身構えるな。覚えておるか?私が黒金と白金をここへ呼んだ理由を」
「不死竜……」
「そうだ。それを倒して来て欲しいと言った。が、今の黒金達では到底話にならないだろう」
「じゃあどうすれば良いの?白は寝ているし、私は一度も戦ったことは無いよ。自分の事も分からないしね。唯一分かっているのは、私の魔力は美味しいって事だけだよ」
「そうだ。黒金は何もわかっておらん。なのに全てを黒金と白金に背負わせる訳にもいかん。……友を失いたくはないからな。そこで提案なのだが、私をここで殺し龍殺しを習得してみないだろうか?それなら私は黒金の力になれるし、黒金は…鬼だろう?経験を積めばきっと誰よりも強くなれる…。私は前にも言ったが…。何年後それともすぐに、それとも何百年後かもしれんが。またここに龍が産まれる。それは私では無くなるだろうが…。良い提案だと思うのだが…?」
少し寂しそうに微笑む。それが自分の最後ののぞみだとでも言うように。
「それにそもそも私には時間が残されていない。それならこの命…友のために使いたい。」
「………………………」
「あと、言っておらなんだが。白金は聖獣のように私は思った。掌から産まれるのは初めて聞いたがな。あやつの今の状態は自分を作りかえている状態だ。詳しくは知らないが…。聖獣は主を決めたら主を守り抜こうとするそうだ。自分の命を捨ててでも。…それは嫌だろう?白金が居なくなるのは。 「嫌だ」 …っなら、話ははやい。強くなれ黒金よ。勿論白金は強くなって帰ってくるだろう。それはこれまで以上に白金に守られる事に繋がる……」
「強くなれ……友よ……」
「………………嫌だっ!」
「白金が私を庇って…死ぬのは嫌だ……。またっ…!あの子が居なくなるのは見たくない…。でも…」
「………でもっ!友達を殺すことなんて私には出来ない。」
「絶対に嫌だ…嫌だ 嫌だ。」
「初めて…できた友を失うなんて…出来ない…」
虹色の龍は、光に照らされる…。黄色に赤に白に…鱗がまるで生きているかのように煌めく。
宝石のような二つの目は友を映していた…。優しく優しく何処までも優しく…。
まるで絵画のように美しく気高い龍がそこにあった
友が決断するのを待ちながら…
「………っ!」
黒金も分かっていた…。それが不死竜を倒すのに一番だと…。でもどうしても、他の方法を探してしまう。でも、見つけれない。自分が弱いから。自分が弱いから龍爺にこんなことを言わせてしまった。不死竜は強い。それこそ龍爺と並ぶほどに。………わからされてしまった。今のままでは到底勝てないと。
黒キモリでの事が蘇る。私は勝てない…。それこそ、龍爺に勝てないんだったら不死竜になんて勝つことは出来ない…。そんな事は分かっている。不死竜がそれだけで勝てるのなら龍爺がここまで命を削る事は無かったと。自分は弱い…。弱いが故に選択肢は無い…
強くなりたい………
「そんな悲しい顔をしてくれるな…友よ。…黒金。黒金の力になれるのは私に取って幸せな事なんだ。強くなりたいのだろう…?なら迷っちゃいけない。一人では出来ないこともある。自分を責めちゃいけない。だけれど黒金には白金がいるだろう?自分が失いたくない相手を間違えてはいけない」
ヒラヒラと二つの影が近寄ってくる…
「………黒金。虹龍様がそれを許しても僕は許さない。」
「…黒金ちゃん。私も許せないわ…」
「「だって……大事な大事な虹龍様だもの」」
「僕は虹龍様が殺されるぐらいだったらこのままこの楽園で…」
「私も…。虹龍様と最後まで暮らしたい…」
二人の妖精は涙を浮かべながら話し続ける。
「不死竜なんか…なんかの前で動けなかった僕達を守り続けてくれくれた…。」
「私達を守り続けてくれた…。」
「「虹龍様を殺すのは許さない……っ」」
「虹龍様を殺す前に僕を…」
「虹龍様を殺す前に私を…」
「「超えてゆけ!!!」」
「僕達を倒せないなら、資格はない!!」
「私達の命はもうずっと前から虹龍様のもの……」
「「虹龍様が死ぬ時が僕達の死ぬ時だ……」」
二人の妖精を見つめる宝石のような目はもう涙で溢れていた。
「ペル…ラル……。すまんな…。」
「亡くなった友に私は囚われすぎていたのかもしれん。……こんな近くに友が二人もいたのに…。気づけてなかった。すまない……。」
「………っお前達!!」
虹龍の周りにどんどん動物や妖精…魔物に……集まってくる。私達もいるよ…と。楽園に居た全ての者が虹龍の周りに集った。
「…そう…か。私はもう一人では無いのだな。申し訳ない事をした。何百年…1人で守護者として生きていたつもりだったがもう…違うんだな。許してくれ……………」
「黒金よ…」
「それでも私は最後まで森の守護者として生きたい。私を超えて行って欲しい……。だけれども。ペルとラルの事もお願いして良いだろうか…?ハハッあいつらはなぁ昔からイタズラ好きでなぁ…。ゆう事をさっぱり聞かないんだ。」
「明日…明日でいいか?今日はこいつらと別れをしたい」
周りを見て微笑む…。それを見て黒金は覚悟を決めた…。
「………分かった。」
涙を目に溢れさせて、無理やり笑顔を作って、ぎこちない笑顔だったけれども笑って龍爺を悲しませないように…笑って言った…。
「ありがとうなぁ…感謝する」
龍爺も笑顔で答えた…。
次の話…別れ…?
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