1. ほのぼのスローらいふ馬と歩む道のり (挿絵ラフ)
寒い季節が過ぎた。小鳥がさえずる暖かい季節に移り変わる。そこには記憶の無い少女と一頭がいた。美しさや笑い。悪意や苦しみ。全てを描いた少女と馬が旅するふしぎな物語である。
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私はなんでここにいるのか。記憶が全く無い。元々無かったのかもしくは奪われたのかも。よくわからない。
幸いにも私は言葉を知ってるし話す事ができる。けれど何故だろうか馬と言う生き物には、記憶というより愛情がある
何故か好きだ。いや、大好きだ。
だからだろうか
ポッカリと開いている心の穴が酷く馬を求める。
今は私は一人だ。
それだけが悔やまれる。早く馬に会いたい。神様…どうか…
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パキリッ
「何の音?」
とうとつに変な音がした。
私にはもちろん心当たりはない。耳がおかしくなったのだろうか。自分の掌から聞こえた気がする。こぶしをひろげてのぞいてみる。
思わずハッと息をのみこんだ。
そこにあったのは刺青のような卵の絵。少しヒビが入っている。これが音をたてたのだろう。何だこれは。
「怖いなぁ。」
とても怖い。が、何が起こるのだろう。同時にとてもワクワクする。
少女は、馬と会えたら良いなと考える。
そうして、自分を認知してから一日が終わった。