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主とペットと妖怪と  作者: りおん
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壱ノ怪 鼠:序章

「…はぁ、ありえない。」

サッサッ

と箒をもって玄関の砂埃などを払っている榊伊織




彼は先日とある妖に襲われ、それを助けたのがこの屋敷の主人


「?何がありえないんだ??この千理様の言うことが聞けないのか?次は飯だ。私は伊織、貴様の命の恩人兼主人だぞ??」


バリバリと煎餅を食べ、酒を飲み、テレビを見ている琥珀の髪に金色の瞳をした一見中学生ぐらいにしか見えないが中身はぐうたらの親父のようなやつ。

名は千理といい、先日伊織を助け、まんまと罠にかけて家政夫…つまりは家事掃除の一般的なことをするという命令(礼)をさせている張本人


そして、妖と呼ばれる類のものは人には見えない。

そのことから悩みを抱えていた伊織の前に現れた同じモノを視ることができる人に出会えた!


…と嬉しく思っていたのだが、



「いや、この際家政夫のことはいいんだ。


ありえないのは千理だよ。こんな昼間っから酒とつまみとか…体を壊してもしらないからな。


ていうか、見た目が中学生ぐらいのお子様だから酒を飲んでいるのがどうしてもお菓子な光景にしか見えないのだが…?」


そう、見た目は中学生ぐらいの子供なのだ。



「ふんっ別に構わないだろう?私は大妖怪。姿形を変えるのなどいとも容易くできる。


今はこの姿が楽だからなっているだけだ。」


…そう、千理は妖だったのだ。

そりゃあ、同じモノが見えるはずなのだ。だってそれなのだから…



「…はぁ、それじゃあせめて別の姿をとってくれないか?

その姿のまま酒を飲まれるこっちの見にもなってくれ…通報したくなる。」


見た目は中学生なので、通報は言いすぎたが、取り上げたくはなってしまうのだ。

こう、子供がお酒を飲んじゃ行けません!っていうおかん的な立場で。



「むぅ…通報ってお前…私は命の恩人だぞ!」

「他の姿になることなど容易い。んだろう?だったらやってくれないか?容易いんだよな?」


まるで、本当は容易くないのでは?という意味合いをこめて挑発する伊織


「な!できるに決まっているだろうが!」


伊織の誰にでも分かるような挑発に安易に引っかかる千理


ぽんっ


と音を立てて煙が少し起きる


煙の中から出てきたのは20代後半ぐらいの男

少し髪は伸びており1つ結びになっている。

そこに和服がまたはえており、美しさを物語っていた


「うわぁ…凄いな。」「そうだろう?」


声も低くなっており、あの中学生がここまで成長出来るのか?と思わせるような雰囲気だった。


「他にもなれるのか?例えば動物とか。」

伊織のその言葉はただの興味。

だが、千理にとっては他の、人以外にはなれないのか?という意味で受け取っていた


「なれる!」

やはり普段の子供っぽい口調は見た目に合わせているわけではないらしい


ぽんっ


まあ、煙が出現する


現れたのは


「猫!!」


可愛らしい三毛猫。


あの髪色なら出てくるのは白に近しい単色の猫か茶トラだと思っていた伊織にとっては


少し不思議ではあったが、とても可愛らしい三毛猫だったのでそれは割愛しよう。


さて、この反応と思いから伊織が猫好きであることは一目瞭然なのではないだろうか。


伊織は瞳をきらきらとさせる

「凄いな!千理。すごく可愛いぞ。とても似合ってる」

と、少し語彙力が泣けながらも褒め称える。


「お、おぉ。そうだろう。そうだろうとも。」

だが、それでも千理にはとてもよくきいたようだ。

伊織に褒められたのが嬉しいのか鼻の下を伸ばしている千理


「やっぱり猫はいいな。昔…すごく小さい頃に飼ってたような気がするんだが


もう昔過ぎて覚えていないが、すごく可愛がっていたんだ。」



懐かしむ伊織の姿をみる千理


「そうか。可愛がっていたのならそいつも嬉しいだろう。

まあ、私の美しさには適わんがな。」


どやりちらす千理。だが、姿は猫なので、とても愛らしいものに見えた。



ぽんっ



と、千理は猫の姿をやめて普段の姿…また中学生ぐらいの姿に戻る。


「あ、戻ってしまうのか…」

と、伊織がとても残念そうにする




「それしても、本当に広い屋敷だな。」


各部屋を掃除しているが中々終わるような気配がしない部屋量に伊織はため息をはいた


「このままじゃ今日中に終わらないな…」


サッサと箒ではいていく

その伊織の後ろで何かがカサカサっと音がする


「ひぃ!?」


古い風情のある屋敷。あまり手入れが行き届いていなかった…


まさか、まさか…



「まさか、ごk」

言い終える前に伊織の顔めがけて何かが飛びかかってきた。


一瞬想像していたお虫かと思ったが毛のふんわりとした完食と手のひらサイズから別の生き物だということを理解出来た。


「うわっ!!って…鼠…か?」


掴んで引き剥がし見てみてるとそれは鼠だった


「なんで鼠がこんなとこr…」


「これ!小童!!さっさとこの手を離さんか!!」


と、掴んでいた鼠が急に喋りはじめたのだ。


「うわぁ!!」

驚いた拍子に伊織は鼠を離す



「おっとっとっと…こら!危ないではないか!!もっと丁寧に扱わんか!!」


と、腹を立てていた



「わ、わるい!ただ普通の鼠だと思っていたから驚いて!!」


一応、非があるのは伊織なので謝る。


がらっ


「何を騒いでいるんだ?おぉ…鼠か。よく私の縄張りに入り込んだな…なんだ?盗みでも働くつもりだったのか?


よし、今日の食事にでもするか?それとも玩具にするか?」


ニヤリと笑いながら隠す気もなくヨダレを見せつける千理



「ひぃいいぃいい!!

やめろ!!俺を食べ物にするんじゃない!!

俺はただ、この屋敷で休憩させてもらっていただけであって!!

決して盗みなど!!」



と、必死にふるえながらも弁明する鼠


その様子が面白かったのか千理は鼠を掴むと自身の口の上に持っていき、大きく口を開く



「ひぃいいぃいいー!!!やめてくれぇええぇぇえええぇ…!!」


やめてくれと叫ぶが千理はどんどん鼠を口の付近に近づけていく。


すると鼠はパタンと動きをやめ気絶した。




「おい、やりすぎじゃないのか?」


という伊織の言葉はスルーする千理


鼠の反応がなくなったことに面白みがなくなったのか



千理は鼠を伊織に投げると別の部屋にこいといった





「なあ、この鼠大丈夫なのか?まだ気絶しているぞ…?」


別の部屋にいくと畳の上に座布団と机だけがおいてあり、

机の上にはハンカチが敷かれたバスケットが置いていった


その中に鼠を入れて目を覚ますのをまつ


「構わんさ。それよりもあの程度気絶するほうが悪いだろう。」


ふんっとそっぽを向いているが、先程この部屋を掃除していた時にはバスケットもハンカチもなかった


そのことから千理が多少の罪悪感を抱いていることが分かった



伊織は素直じゃないなと思いながら千理を見つめ、鼠が目覚めるのをまった




ーーーーーーーーーーーーーー



「う、うぅ…」

ごしりごしりと小さな手で目をかくとムクリと起き上がる鼠


「あ、おはよう。体調は大丈夫か?」


「?…おはよう…?」

寝覚めたばかりであまり状況を掴めていないらしい鼠は目をしばしばさせていた



「はっ!!喰われる!!!」


漸く頭も冴えてきたようで、気絶するまえのことを思い出したようだった



「ああ、大丈夫だよ。千理の意地悪だっただけだから。安心…は出来ないだろうけど、出来れば信じて欲しいな」


ニコリと優しい笑顔で鼠の不安を解消させようとする伊織


「あ、…分かった…まだ完全に信用は出来ぬが、善処しよう…小童よ…。」


と鼠からの返答は割とポジティブな方向性だったので伊織は嬉しくなった


「ありがとう。それよりも、何故こんな所に居るんだ?

いや、まあ、鼠が好きそうか場所だけども…」



「?確かに俺はここが好きではあるが、何も我々一族(鼠)だけでないと思うぞ?」



その鼠の言葉に伊織は冷や汗をかく



名前を言いたくないやつも暗くて古くてほこりっぽくて畳があって…大きな部屋。

それが大好きなやつもまたこの屋敷にはいる。

ということだろうか…



伊織がごき○○ほいほいを買おうと決意した瞬間だった。




「ああ、それで俺がここにいる理由は…

家族のためだ…」


と、鼠は先程までの空気か悲しいものに変えて下を向きはじめた



「ふむ。何があったのか聞かせてみろ。ことと次第と気分がのれば助けてやらんこともない」



先程の罪悪感を消すために丁度いいと思ったらしい千理が鼠 ことヒノの話を聞き始めた




更新ペースは亀速度でお送り致します


また宜しければ感想など頂けるとありがたいです

更に、面白いや続きが気になると思われればブクマお願いいたします!!

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