【御神託】
T:じっさまー!
G:おぉ、テトラか。この下りにもそれなりに慣れてきたのぅ。
D:それはなによりなんですが、尺の関係上はやくアラをスジないとヤバいんですよ。
G:おぉ、おぉ、そうじゃったの。雑談は後書きにお預けじゃな。
T:はーい。
D:じゃ、早速始めましょう。
T:広い広い宇宙にティエラって星があって、そこにポツンと島があったんだよね。
G:そこの首都アレフで賢者アストラルが急遽弟子を募集してたんじゃ。略してデシボじゃな。
D:カノボですか……。まぁそのアストラルの家の庭で沢山の希望者が鍛練に励んでいたら、例の賢者様がこれまた急に試験を始めるとか言い出したんだよな。
T:よーし、アラスジ終わり!
G:やっとじゃのぉ。
D:すいません、力不足です……。どうか飽きずに本編まで見てって下さい。
「あ、アストラル様、それは誠に御座いますか!?」
「一体、何故そんな前触れもなく......」
「私まだ剣の使い方知らないよっ」
「アストラル様は一体どのようなお考えをお持ちなのか......」
周囲が乱れざわめきだしたとき、平屋の縁側らしき場所に威風堂々と立つ賢者が彼らを右手を挙げて制した。
「者共よ、静まるがよい。我が急遽後の星の精霊となる弟子を探し始めた理由が今回の試験決行の理由にも繋がっておるのだ。暫し耳を傾けよ」
彼がそう言うと、周囲のざわめきが一瞬にして消え去った。
それを見た賢者は言葉を続けた。
「昨晩の降霊火の儀式により、我らが父ゼウス様からの御神託が我がもとに舞い降りたのだ。......貴様達とて、千年の災厄くらいは耳にしたことがあるだろう?」
そのとき何人かの垂れていた頭が何かを思い出したかのように持ち上げられる。
頭を垂れたままの者も目を見開き、冷や汗を全身に流している。
「なんで......、俺達の代で......」
「う、嘘だ......、あんなのただの子供騙しでしょうが。そうでしょう、アストラル様?」
白髭白髪の老人は哀れみなのか決意なのかはたまたその両方を宿らせているのか、瑠璃色の瞳を質問してきた年老いた者に向けて何も口にはしなかった。
「そんな......、そんな馬鹿な話が......」
「全ては御神の御神託なり。事実を受け入れ、軈て来る災厄に立ち向かうしか道はなかろう。しかし我とて一人の人間。この身体では有り難き世界樹の御加護も十分に活かすことは不可能よ。そのためこの力を我が一番弟子に譲渡することに決めたのだ」
多くの人間が固まり口を閉ざす中、ある女が震える唇で賢者に問うた。
「あ、の……、そ、それでは、私達が今まで頑張ってきたのは、全部……、災厄を祓うためだったんですか……?」
掠れた声をなんとか聞き取った賢者は一呼吸間を置いてから答えた。
「最初の御神託はただただ漠然とした災いがおこることだけを知らせるものであった。我とてよもや次代に災厄を任せようこととなるとは思いもよらなかったのだ。申し訳ない。……、今一度者共に問おう。小害な病魔からでも華奢な悪意からでもなく、大いなる災厄よりこの母なる大地を死守する覚悟はあるか?」
賢者の声が庭全体まで行き渡ると、フラフラと立ち上がる者がひとり、またひとりと出てきた。
しかし彼らは地から膝を離すと同時に百八十度向きを変えて木製の門まで走っていってしまった。その中には目尻に大粒の涙を溢れさせる者までいる。
残ったのは三百はいた内の百。しかもその九割以上が、足をすくませている者や泣き崩れている者であった。
殺風景と化した庭では言葉にならない嗚咽や罵声が聞こえる。
そんな中、ふたつの声が上がった。
「「『俺が』『僕が』賢者を継ぐ!!」」
T:じっさまー!
G:おぉ、テトラか。
D:ねぇ、もうこの下りよくない?
G:よくないに決まっとるじゃろ。
T:じっさま、それより大変なんだ!
G:んん?どうしたんじゃ。
T:うp主に彼女が出来たって!
G:ふえぇぇぇ!?あの万年厨二童貞ニートネトゲ廃人にか!?
D:なんですかその酷い言われ様は。それ以上言われると精神科にお世話になっちゃいますよ?
T:でもなんでこんな生きる価値すらない牛乳を吸った雑巾以下のクズ人間なんかに彼女が出来るの?こんなやつクズって言葉を使うのもおこがましいんだよ?
D:お前ら俺を何だと思っていやがる……。
G:神様の唯一の失敗作。
T:余り物で創られたゴミ人間。
D:……、揃いも揃ってお口が悪う御座いますよ。そもそも俺彼女いないし。
T:なんだぁ、デマかぁ。
D:俺はこの世に生けとし者全てを平等に愛しているのさ。
G:お前ごときが人間様を愛するとか何調子乗ってやがんだ。
D:人権とは一体……。
はい、この度は本作品を御覧下さり誠に有り難う御座いました。
今後とも本シリーズを宜しく御願い致します。
次回も是非御覧下さい!
また一週間後に皆様とお会いできることを心より願い結びとさせて頂きます。
今日は誠に有り難う御座いました!