第五章 10 さわやかな朝
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朝、ユージナはすっきりした気分で目覚めた。トイレに行って身支度を始めると、リユル、ヴァルルシャも起きだした。
「おはよう」
「おはよう」
「おはようございます」
そう挨拶を交わして、支度を整える。
「じゃあ、朝ご飯に行きましょうか」
ヴァルルシャが言い、ユージナとリユルもうなずいて、三人で下に降りていく。宿屋の玄関には、ルーリーン、フィルラ、ユージーンが旅支度をして立っていた。
「あ、みなさん、おはようございます。私たち、これから次の町に向かうところです。短い間でしたけど、楽しかったです!」
ルーリーンが振り返ってそう言った。
「……こちらこそ、ありがとうございました。道中、気をつけてくださいね」
ヴァルルシャは、そう答えた。
「はい。またどこかで会ったらよろしくお願いします!」
ルーリーンは、にっこりと微笑む。そんな彼女に、ユージナは言った。
「元気でね」
「はい、みなさんもお気をつけて!」
ルーリーンはそう言って、宿屋の出口に向かう。扉のところで足をひっかけて転びそうになり、ユージーンが肩をつかんで支える。
「ほら、気をつけて」
そう言うフィルラに「ごめんごめん」と言いながら、ルーリーンは、フィルラとユージーンと共に旅立っていった。
「……行っちゃったね」
リユルが、ユージナとヴァルルシャに向けて言った。
「ええ。でも、いい仲間に囲まれて、幸せそうでした。今の彼女が、今の人生で幸せに生きていってくれるなら、私はそれで充分です。
私も今、リユルさんとユージナさんといういい仲間に囲まれていますから」
それは、森で初めて彼女のことを説明した時とは違って、心からの言葉のように、ユージナには思えた。
それから、三人で朝食を食べに行き、昼の弁当を買った。
ヴァルルシャが近くにいない隙を見計らって、リユルがユージナに話しかけた。
「……で、今の気分はどうよ?」
ユージナは少し考えて、答えた。
「すっきりしとるよ。
昨日リユルが言っとったように、うちが『ルゥリィン』にシンクロしとって、ルーリーンがそばにおらんくなったから、そのシンクロが消えたのかもしれん。
それとも、ただ単に、昨日リユルと話して、気持ちが落ち着いたのかもしれん。
ヴァルルシャも、今のルーリーンがいい仲間に囲まれとるのを見て吹っ切れたみたいだし。それを見て、うちの動揺が収まったのかもしれん。
その全部かもしれんし、全然違うのかもしれん。でも、今まで通り、三人で魔王退治を目指したいなって気持ちは変わらんよ。いや、強くなっとるかも」
「そっか。じゃああいも余計なこと言わないで、今まで通りにするわ。
でも彼女、『またどこかで会ったらよろしく』って言ってたじゃない。そん時また変な気持ちになったらどうするの?」
ユージナは苦笑いを浮かべた。
「それは……そん時でしょ。今考えたってしょうがないことは、今考えたってしょうがないよ」
二人でクスクス笑っていると、ヴァルルシャが弁当の会計を終えて戻ってきた。
「楽しそうですね。何かあったんですか?」
そう尋ねるヴァルルシャに、ユージナは答えた。
「うちらのこれからの旅が楽しみだなあって、言っとったとこ」
リユルも続けた。
「そうそう。次はどんなことが起こるんだろうね」
そう言われ、ヴァルルシャも笑顔でうなずいた。
「そうですね。では今日も、魔物退治に行きましょうか」
ユージナ、リユル、ヴァルルシャは、川に沿って北に行き、その日も森で魔物退治をした。




